【マッチレビュー】 19-20 LaLiga 第24節 バルセロナ対ヘタフェ
こんにちは、名もなきクレです!
現在3位のヘタフェをカンプノウに迎えます。レアルとの勝ち点さを縮めるためになんとしてでも勝ちたい試合。ヘタフェのハイプレスに屈しず勝てるかが注目されます。また、ヘタフェには9番の候補としてのアンヘルやククレジャが所属しています。そこにも注目です。
・スターティングメンバー
ベティス戦では4-3-1-2にチャレンジしたバルサは4-3-3の布陣に戻しました。ラングレがベティス戦でレッドカードをもらったためCB陣はピケ、ウンティティ、右SBはセメドに代わってロベルトになっています。また、前節休んでいたファティが今節はスタメンになっています。
一方、ヘタフェはククレジャを左SHにした4-4-2を使ってきます。そして、バルサが獲得を狙うアンヘルはベンチ入りしています。
・前半
バルサのボール保持時
バルサのビルドアップ
ヘタフェはバルサのビルドアップ時に比較的マンマーク気味の守備をし、バルサが前進しようとしたら素早く寄せるという守備をしてきました。この素早く寄せる守備によりブスケツがバックパスをミスし、オリーナとテアが1対1の状況になってしまうこともありました。こういうミスに関しては多少はしょうがないのかなとも思います。(あのブスケツでさえミスってしまうのですから)
なのでバルサのビルドアップの時に、1回テアに戻してから展開することが多々ありました。
前半の始めの方は上の図のような形でのビルドアップが多くありました。
ヘタフェは2ボランチのどちらかがブスケツを見に行きますが、たいていアランバッリがブスケツを見て、マクシモヴィッチがフランキーを見ていました。そのため、アルトゥールがフリーになることが多かったです。
ボールを進めるとヘタフェの前線させないようにするプレスが来るので途中からブスケツがCBの間に降りてくるようになりました。ブスケツが降りて行った時にまでボランチが付いていくと中央にスペースが空いてしまいます。なのでそれまでブスケツを見ていたアランバッリがアルトゥールを見たりするシチュエーションが増えました。
こういう場面の時はフレンキーなとが降りていき(ヘタフェの選手もついていきますので)スペースが開きます。そこの場所にブスケツが出て行ったりしてボールを勧めていました。
しかし、それでもアルトゥールがフリーになる時はあるのでその時に備えてククレジャはロベルトを見つつ中央にもケアしにいけるような場所にいることが多かったです。なので結構ロベルトがフリーになることが多く右からの展開が多かった印象です。
ただ、テアはバルサのSBがフリーでもあまりそこにパスを出すことは少なかった気がします。それはおそらく、SBにボールが渡った後に後ろの位置にいるオリベラやククレジャ、マタからプレスが来てしまうのを恐れたのではないかと思います。実際オリベラがそこまで寄せていくことはあまりなかった気がするので多分出しても大丈夫だとは思いました。
ただ、正直テアは試合中いろいろなことを考えている中で全てに正しい判断をさせて的確に配給させるのは酷だと思うし、フレンキー、ブスケツがボールを持った時にロベルトをいかせてたのでロベルトにボールを出さなかったことは特に問題ではないです。というか、テアに関してはビルドアップや守護神としても大きく貢献してくれたので感謝しかないです。
また、ヘタフェのような守備スタイルだとどうしてもプレスを交わされてしまった後広大なスペースが空くことが多く、そこからファティやロベルトが裏に抜けるなどのシーンが結構ありました。
バルサが押し込んだ時の攻撃
基本的にはバルサが2-3-5(2-5-3)のような形で押し込み、ヘタフェがコンパクトな6-2-2のような布陣で守っていました。裏へのケアは基本的にそこまでせず、基本的にサイドの選手は見ない感じになっていました。
ヘタフェは、ライン間にバルサの選手が入った時に最終ラインから1人出てきて、そこの空いたスペースをカバーするような感じになっていました。(いわゆるチャレンジ&カバーってやつ)そしてヘタフェはチャレンジ&カバーが上手でした。
1点目のシーン(見にくいのは申し訳ないです)
しかし、1点目はエチェイタがライン間でボールを持ったメッシにチャレンジしたことにより空いたスペースをグリーズマンが使い、点を決めることができました。あれに関しては、ヘタフェの守備に問題があるというよりはあの場所にポジショニングてきているグリーズマンとそこのスペースに瞬時に出せるメッシがすごさがよく伝わるシーンでした笑
グリーズマンの活躍
ベティス戦でのマッチレビューでも書きましたがグリーズマンはウィングポジションに人がいないときに張ってくれたりするなど、バルサの攻撃を機能させる上で欠かせない潤滑油のような選手の1人だと思います。ヘタフェの守備戦術上どうしてもできてしまうスペースに気付きそこを活かす動きが出来たところなどがまさにそうです。
また、アトレティコの時に培ったキーパーとの1対1での精度や守備時の動きはやはり素晴らしいです。
グリーズマンがここ数試合よく活躍出来ているのは特に、フレンキーのポジショニングが良くなり(メッシが降りた時にフレンキーが上がり、ウィングの位置に人がいないときはウィングの位置に入る)チームがバルベルデ時代よりも流動的に動けるようになり彼のオフザボールが活かされるようになったからでしょう。
ヘタフェのブロックの弱点
ヘタフェは基本的に6-2-2のようなブロックを組んでいました。そのため、システム上どうしても最終ラインと2列目にギャップができてしまいます。
ハイライトとかを見ていただければわかると思いますがいわゆる「アシストした選手をアシストした選手」はここのスペースからパスを出されています。1点目ではウンティティがこのスペースに入り、誰がマークに行けばいいのかわからない状態になったことにより「アシストした選手をアシストした選手」になりました。
改善されたポジショニング(攻撃)
フィルポはポジショニングが改善された選手の1人です。フィルポが2点目の時にアシストするまでは、アルトゥールなどがフィルポの足元ではなくフィルポが走って辿り着く場所にパスを出してあげることによりフィルポが前に出るという感じでした。(自発的に前に行ってた感じではありませんでした)
しかし、アシストしてからは自信がついたからか自発的に前に行くようになり何回かチャンスを作ることができていました。
【企画】
— Hikota (@BarcaHikota) 2020年2月11日
思いつきの名鑑企画、やります。
書きたい人を募って、書いてもらって僕のnoteに載せるスタイルを取ります。一応先着順にします(そもそも書いてくれる人がいるのか不安だけど笑)。
午後に要綱を載せるので、そのツイートと同時に応募開始です。是非ご応募ください。#みんなで作るバルサ名鑑 https://t.co/SefWldlp2E
実はHikotaさんが企画した選手名鑑を作る企画でフィルポについて書かせていただきました。その時に、「フィルポに自信が付けば活躍出来るのではないか」みたいなことを書いたのですが、それをもう達成出来たのがすごく嬉しいです笑 フィルポにはこれから継続して結果を残せるように頑張ってほしいです!
また、ファティはサイドからアルバが上がってきた時にハーフスペースの位置に移動するようになっていました。この移動が起こると、左の大外に2人いたりするなどのアンバランスなことが起こらないしファティ、アルバ間での連携がやりやすくなります。(後半ですが、ファティとフィルポが連携してフィルポが裏抜けるシーンがあったと思います)
これから、押し込んだ時にファティはハーフスペースが主戦場になると思うのでそこからカットインしてシュートを決めるみたいなのが得意になると良いですね!(一回ファティがシュート打った時はハーフスペースからカットインするみたいな感じでしたよね笑)
また、アルトゥールが主戦場としていた左サイドの低めの位置に人がいるときは自ら前線に行き、裏へ抜ける動きを見せていました。(ぎこちない感じでしたが笑)ベティス戦の後半、トップ下としてビダルと交代してきたときもしていましたがその時よりも積極的にやっているように感じました。
僕はアルトゥールの裏へ抜けて行こうとする動きを見て、改めてフレンキーが適応力の高い選手だなと思いました。(もちろんアルトゥールもすごい選手ですが)
ロベルトも、ベティス戦の後半と同じように空いたスペースを使おうとする意識が高く、たくさんのチャンスを作ってくれました。
ヘタフェのボール保持時
ヘタフェの攻撃
ヘタフェは基本的にはショートカウンターを基本とし、すぐにボールを前線に出せないときも一旦後ろに戻してから前線にボールを出すというふうにしていました。また、そのときは足の速いマタが裏を狙うことが多かったです。
そのため、何回か大きなチャンスができましたが決めきることができませんでした。それはバルサのネガトラ時のポジショニングが改善されているのが1つ理由としてあげられるでしょう。
改善されたポジショニング(守備)
まず、ブスケツが上がりすぎないようになり低い位置でいることが増えました。ブスケツが上がっていった時などもアルトゥールがブスケツの場所に戻るなどして大きなスペースが空くことはあまりありませんでした。
そして、ロベルトはフレンキーがウィングのポジションにいるときはインテリオールの間合いに入りネガトラに備えたポジショニングをしていました。
また、特にウンティティの寄せの早さが目立っていました。ウンティティの寄せの早さによりヘタフェの選手が前を向けなかったらボールロストしたりするなどして攻撃を未然に防ぐことが出来たと思います。その証拠としてウンティティのインターセプト数はチーム最多の6でした。(ピケは1)
前半の20分などに1点入ったかと思いきやVARにより得点がなかったことになり、結局2-0で折り返せたのは良かったと思います。後半さらに点をとって楽に勝ちたいところです。
・後半
ヘタフェの修正
ヘタフェはバルサのビルドアップの時にプレスに参加する選手の数を増やし、(CBのエチェイタがプレスに参加するようになりました)最終ラインではバルサのFW陣との数的同数を受け入れてプレスをしてきました。そして最終ラインが数的同数の時にしっかりアプローチをかけてくれる流石のグリーズマン。得点に繋がることはありませんでしたが、あのような動きはすごくありがたい!
また、ヘタフェは守備時のブロックを6-2-2から5-3-2へと変更して2列目の横に空いてしまうスペースを少なくしました。
バルサの修正
セティエンはアルトゥールに、ビルドアップの時も高いポジションを取るように指示されます。おそらくセティエンは30分49秒のシーンのようなアルトゥールの際立ったパス能力を活かしてチャンスメイクさせやすくするのと、アルトゥールの裏への抜け出す動きを活かすためにあのような指示をしたのでしょう。
また、この指示から、セティエンは4-3-1-2のフォーメーションを再び使うのではないか、と思いました。なぜならアルトゥールに高い位置を取らせ4-3-1-2のトップ下のタスクを担えるようにしてもらうためにアルトゥールにポジションを上げるよう指示したとも考えられるからです。(ベティス戦でアルトゥールは4-3-1-2のトップ下をやっていました)
4-3-1-2のシステムについてはいろいろと書きたいことがあるので後で書かせていただきます笑
しかし、この指示がバルサのビルドアップがうまくいかない原因になってしまいます。
オープンな展開になった後半
先ほども述べたように、ヘタフェの守備戦術の変更(最終ラインでの数的同数を受け入れたプレッシング)とアルトゥールへの指示によりビルドアップがあまりうまくいかないようになります。また、前半はアルトゥールが低い位置にいることにより自然とネガトラに備えた配置になっていたのですが高い位置を取るようになったためフィルターとなる人が1人減り、カウンターをもろ受けるようになりました。
このような理由により後半はオープンな展開になってしまいました。
オープンな展開でしたが、ピケのカバーリングは良い意味で目立っていました。マタが足に疲労が溜まっていたのが結構あるのかなと思いますが。(マタは試合終盤に足をつってしまいました)
バルサの失点シーンに関してはアンヘルが素晴らしかったと思いますが、ビルドアップがもう少し整っていればあの失点はなかったのかなとは思いますね。
そしてセティエンはアルトゥールをラキティッチに変更します。「なぜラキティッチ?」と思う方も多いと思いますが、おそらく守備ができて、ビルドアップに貢献してくれる系の選手(ビダルだと前に出ていっちゃってアルトゥールの時とそこまで状況は変わらないと思ったのかな)をチョイスした結果ラキティッチになったのだと思います。
ラキティッチになってからビルドアップの時に人数は足りるようになりましたが、ラキティッチのパスが結構危なっかしいものが多く、(ラキティッチのパス成功率は63.6%で、ポゼッションロストは15分で6回でした、、)安定感はそこまでありませんでした。
そして最後にファティをビダルを替えます。このビダル投入は守備を固めるとともに4-3-1-2を試すという意味もあったのではないかなと思います。ビダル投入によりヘタフェのマークがずれ、ライン間でフリーになれることが多かったです。
ただ、ビダルのランニングマンとしての役割(89分39秒のメッシのドリブルシーンでビダルが前を走ったことによりアランバリが付いていきスペースができていました)よりもパサーとしての役割が目立っていたのでやはりここはビダルというよりアルトゥールが適正なのかもしれないなと思いました。
4-3-1-2について
バルサで4-3-3をしようとするとどうしてもメッシがいて、グリーズマンもいるためFWが結構左右非対称な構成になりがちです。(左右対称な配置といえばシティのアグエロ、スターリング、サネやサラー、フィルミーノ、マネなどですね)
左右非対称であるとどうしても少し特殊な仕組みになってしまい適応が遅れたら、うまく出来ない選手などが出てしまうので(コウチーニョ、マウコンなど)今のバルサに4-3-3ってどうなのかなって思ったりします。今のFW不足のバルサを考えると3枚って結構厳しいものがあります。
このシステム変更により4-3-3の時よりも中央に厚みが出やすいのはなんとなく想像つくと思います。その厚みによって選手間の距離が縮まります。それにより、ボール保持時にはパス回しのテンポがよくなりやすく、ネガティブトランジションの時にもボール奪取がしやすくなるというのもあると思います。
また、現段階ではファティとアルバの連携が良いとは言えないのでファティとアルバ同時出場は避けたというのもあるかと。(単純にファティ休ませたかっただけかもしれませんが)
これはベティス戦のマッチレビューからの引用ですが4-3-1-2なら引用したこと以外にも左右対称な配置でありますし、FWの枚数を2枚に抑え、かつ飽和気味の中盤を4枚使うことができます。(トップ下をおけることにより守備時に相手のアンカーの選手をマークしやすいというメリットもあります。)また、アルバ、ロベルトなどによるサイドの突破を4-3-3の時よりも活かすことができます。(大外のラインにいるのはSBだけになるので渋滞したりしないから)
ただ、「ファティはどうするの??」と思う方もいるかもしれませんが、もし本格的に4-3-1-2にシフトチェンジしていくならばファティは左のCFの位置に入ると思います。引用のところではファティとアルバの連携が良くないと書かれていますが、今節の試合で大きな改善が見られたのでそこは問題解決してますし、押し込んだ時はハーフスペースが主戦場になり、今求められているタスクとそこまで変わらないので多分大丈夫だと思います。
ただ、ネガトラ時にサイドバックの裏を守り切れるかというのが1番怖いですね。なのでその辺は慣れが必要だと思いますが。
4-3-1-2を使わないにしろオプションとして持っている必要はあるのかなとは思いますね。
結局バルサは後半危ない展開になりましたがなんとか逃げ切り2-1で勝利することが出来ました。カンプノウであるとは言え、ヘタフェ相手に勝利できたのは大きいなと思いました。
・雑感
今日の試合を観てる時、「メッシあんまボール触っているところいつもより見ないな」と思ってボールタッチ数を見てみると71回でした。普段が100回弱なのでいつもより約30回少なかったです。最近不調によりメッシが点を決めれてないですがバルベルデの時代と比べるとメッシ依存がましになってるのかなって思いました。調子悪いとはいいつつアシストしまくってるし、3試合連続で点を決めないのは6年ぶりだみたいな感じでニュースになってましたし彼はやっぱりおかしいです笑
そしてウンティティのドリブルやっぱり良いですね!ビルドアップでうまくいってないときにこそ打開してくれます。早くトディボとの共演を見たいなって思いました。
最後にフィリポ、彼が活躍してて嬉しかったです!アルバが怪我してしまったのは本当に残念ですがフィルポにはその分頑張ってほしいです。
最後までお読みいただきありがとうございました!