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最強の矛盾対決 【マッチレビュー】19-20 UEFA Champions League ラウンド16 2ndレグ リヴァプール対アトレティコ・マドリード

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どうも!名もなきクレです!

今回はCL2ndレグ、リヴァプールアトレティコのマッチレビューを書いていきたいと思います!

1stレグ、ワンダメトロポリターノで、アトレティコが1-0で勝利しております。そんな状況の中アトレティコアンフィールドに乗り込みます。

僕は昨年の悲劇とかで勝手にリヴァプールを敵対視してるのでアトレティコを応援したいと思います笑

■スターティングメンバー

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リヴァプールのGKはアリソンが怪我しているのでアドリアン。そして、アンカーはヘンダーソンです。

軽くTwitterで調べただけですが、どうやらファビーニョは怪我明けからコンディションが良くないらしいですね。それでヘンダーソンアンカーなのかもしれません。

一方アトレティコ。2CBはサヴィッチとフェリペでヒメネスはベンチ入り。

コレアは、僕が見たアトレティコの試合でいつもインパクトを残している印象があるので個人的に注目しています。

■前半

リヴァプールのボール保持時

ビルドアップ

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リヴァプールは、2CB +アンカーと両SBで2-3の形を作ってビルドアップしようとしました。

また、ワイナルドゥムは低めの位置、チェンバレンは高めの位置をとっていました。

それに対して、アトレティコリヴァプールのビルドアップを遅らせようと前からプレスをかけてきました。

4-4-2の2トップはリヴァプールのCBを、コケはヘンダーソン、コレアはワイナルドゥム、サウールはチェンバレンをマークしていました。

残ったトーマスはアンカーとして後ろをケアするとともに、フィルターノへ楔のパスを通されないように気をつけていました。

常にトーマスがアンカーの位置にいるわけではありませんが、基本的にこのようなマークのつき方をしていました。

ただ、アトレティコの前からのプレスはあくまでリヴァプールの攻撃を遅らせるのが目的なのでそこまでガンガン前からプレスをかけにいくことはありませんでした。

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なので、ヘンダーソンがだいぶ降りていった時などは誰もついて行きませんでしたし、ビルドアップに積極的に絡もうとするワイナルドゥムへのマークは緩めになっていました。

 
押し込んだ時の攻撃

リヴァプールがゾーン1を抜けると、アトレティコは前からのプレスをやめて、縦横ともにコンパクトな4-4-2のブロックを作りました。

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アトレティコの2列目の選手は、リヴァプールのCBとライン間にいる選手のパスコースをカットできる場所にポジショニングして、中央から突破されないようにしていました。

なので、基本的に高めのの位置をとるチェンバレンがボールを受けに来るシーンがありました。

パリドルトムントを見た後もあってか、このパスコースをカット出来るようにポジショニングするのがアトレティコ凄く上手に感じました。

ただ、アトレティコの選手にパスコースをカットされる位置でポジショニングされても、フィルミーノがポジションを調整したので、何回かライン間にボールが入ることはありました。

しかし、ライン間に入れられたとしても、アトレティコのプレスがとても早かったのでチャンスになることは少なかったです。

このように中央から攻めるのは難しいです。

なのでCBからサラーにボールを出したりして、サイドから攻撃の起点を作ろうとしていました。

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CBからのサイドチェンジやマネへロングボールでアトレティコを揺さぶろうとしたりしました。

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また、サイドで三角形を作って崩そうともしてきました。

この三角形の中ではたまにポジションチェンジしていたりしてアトレティコのブロックにズレを作ろうとしていました。

たまにアーノルドからアーリークロスを打つことなどがありました。

リヴァプールの両SBのクロスのボールの軌道が綺麗なので個人的にこういうアーリークロスは好きです笑

 
右サイドからの攻撃

このようにして、リヴァプールアトレティコの強固な守備ブロックを崩そうとしました。

しかし、どんなに守備が固いアトレティコとはいえ、弱点はありました。

リヴァプールはその弱点を集中的に攻撃することで前半に1得点することが出来ました。

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これは42分45秒、リヴァプールが得点したシーンを再現した図です。

このシーンでは、ロディがサラーにプレスをかけたことにより空いたスペースをチェンバレンに使われ、クロスを上げられてしまいました。

このように、ロディがいる右サイド(リヴァプールから見て)にスペースが出来ることが多かったです。

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上の図はリヴァプールのヒートマップを表したものです。

上の図からもわかる通りリヴァプールは弱点となっている右サイドからの攻撃をメインにしていました。

少し話ズレますがワイナルドゥム敵にいるとやっぱり怖いですね。

去年も後半から入って2得点してましたしね。

 

アトレティコのボール保持時

ビルドアップ

基本的に後ろから繋がることはなく前線にロングボールを蹴っていました。

このロングボールは高い弾道の軌道だったり、リヴァプールディフェンスラインの裏を狙った軌道のボールでした。

また、高い弾道のロングボールを蹴るときはサウール、ディフェンスラインの裏を狙うときはファンダイクがいない、左サイドに蹴ることが多かったです。

アトレティコの押し込んだ時の攻撃

リヴァプールは4-3-3の布陣をとてもコンパクトにして守備をしました。

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これに対してアトレティコ4-3-1-2のような布陣で攻撃を仕掛けました。フェリクスがボールを受けにいってコレアが少し高い位置を取る関係で4-3-1-2になっていました。

試合開始直後にアトレティコがシュートを打ったのを覚えているでしょうか?

あのシーンはまさにボールを受けるために降りていったフェリックスが起点となり、ジエゴ・コスタにボールが行きました。

試合開始直後だと監督から指示されたことをすぐに実行することが多いですから、「ボールを持つ時は4-3-1-2のような形にする!」と言われたのでしょう。

ただ、基本的にはロングボールで展開を作っていこうとしました。

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低めの位置にいるSBがアーリークロスをしたり

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ディフェンスライン裏へのロングボールなどを出していました。

 
リヴァプールの守備

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先程も述べた通り、リヴァプールは基本的に4-3-3の形のまま守備をしました。この時リヴァプールは中央から攻撃されないように気を付けていました。

そして、アトレティコがサイドから侵入してきます。

この時、ボールを持っている選手がいるサイドのWGが守備に参加します。

下の図の場合だとマネが参加していますね。

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また、リヴァプールは守備の時、三角形を意識しているように感じました。

上の図のように、コケにボールが入ったとしてもワイナルドゥム、ファンダイク、ロバートソンの三角形を圧縮してプレスをかけにいっていました。

そして、プレスをかけにいくスピードもはやいし精度も高い!

なのでアトレティコは有効な攻めをすることはできませんでした。

 

前半はリヴァプールが1点決め、合計スコア1-1になって折り返します。

アトレティコは左サイドが穴となっていましたがどのように修正するのでしょうか?

 

■後半

「前半のままプレーすれば勝てる!」と考えてか、特に修正はせず後半に挑みました。

強いて言うなら、左サイドからの攻撃が少し増えたくらいですかね?

現に、リヴァプールが最初に交代させたのは82分でしたしね。

ちなみにこの交代によって左インテリオールをしていたワイナルドゥムが右、ミルナーが左に入りました。

アトレティコの修正

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アトレティコは上の図のようにブロックを組む時の並びを変えてきました。

トーマスはアンカーとして後ろに残る役目があります。なので、左サイド(アトレティコから見て)から受ける攻撃を防ぐために大きなアクションを起こすことは出来ません。

そこで、比較的無理が出来るコケ、サウールを左に固めてロディの穴を埋めようと考えたのでしょう。

また、トーマスが中央の右サイドにいるようになったことで、ワイナルドゥムをほぼ常にマークすることができるようになります。

ワイナルドゥムの場所はコケがいましたが、コケは割と積極的に動いてしまうのでどうしてもワイナルドゥムがフリーになってしまいますからね。

 

・マルコス・ジョレンテ投入の意図

正直なんでマルコス・ジョレンテを入れたのかよくわかりません。

普段からアトレティコの試合もう少し見てたらわかったかもしれません泣

ダウンロード機能の関係でリーガの試合見ること結構少ないので今度から最低限はチェックしていきたいなと思いました。

冗談はさておき、なぜマルコス・ジョレンテを出したのでしょうか?

まず第一に、ジエゴ・コスタ空中戦の強さをいかせていなかったのがあると思います。

先程述べた通り、ロングボールを蹴るとき最前線ではなくサウールの位置に蹴ります。なので、ジエゴ・コスタがロングボールを収めるシーンはあまりありませんでした。

それでジエゴ・コスタが交代することになったのでしょう。

しかし、それならジエゴ・コスタのところをモラタにしても良かったのではないかとなると思います。

それは、ドリブラータイプのコレアを最前線に置くことで相手を引きつけてジョレンテ、コケなどの選手の裏抜けを期待する、というものだったのではないかと考えています。

実際、ジョレンテは攻撃のときそこそこ高いポジションにいることが多かったと思います。

 

リヴァプールアトレティコを圧倒的に押し込むも得点出来ず、延長戦に入ります。

 

■延長戦

先程も述べた通り、後半82分にワイナルドゥムを右のインテリオールにポジションをうつします。

この采配が結果的に吉となりました。

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上の図は93分の得点シーンを再現したものです。

アトレティコの前からのプレスを上手く交わしたリヴァプールはサイドでワイナルドゥム対ロディの局面になりました。

しかし、ここでロディは強くプレスに行きすぎてしまいワイナルドゥムにあっさり抜けられてしまいます。そこからクロスを打ってフィルミーノが合わせたわけです。

あの時間帯であんなに走れるワイナルドゥムは凄いなと思いました。多分チェンバレンだったらあの時間帯であんな走りはできていなかったと思います。

今節のワイナルドゥムは2得点のうち実質1得点、1アシストなのでリヴァプールのなかのMVPは彼なのかなって思いました。

 

アトレティコの勝因はなにか

リヴァプールは93分に点を決めたのできっと「勝てる!!」って思っていたでしょう。

しかし、その後アドリアンパスミスにより得点に繋がったしまいます。

あのようなミスはポゼッションする上で避けるが出来ないミスだと思うのでアドリアンだけを責めるのは酷だと思います。延長戦に入ったことによる疲れとかもあるでしょうし。

それでもあのミスはリヴァプールにとって痛すぎました。

リヴァプールのミスがどうしても目立ってしまいがちなシーンですがあそこを決めからアトレティコも凄いです。アトレティコのようにメンタルの強いチームで無ければ外していたかもしれませんね。

 

そして、この失点がリヴァプール焦らせましたアウェーゴールというルールがあるのでリヴァプールは2点決めなければならなくなりました。

焦って攻撃するリヴァプール、守備の時の人数がやはり少なくなります。2失点目の時、最終ラインで守備に参加したのはわずか3人。

こうしてリヴァプールはトータル3失点してしまうのでした。

 

■雑感

この試合は良くも悪くもが出た試合でしたね。しかし、リヴァプールがあまり好きではない僕はからしたらとても気持ちいい展開でした。

こういうなにが起こるかわからない展開が魅力でもあり怖いところでもあるなと痛感させられました。

あと最後にフィルミーノと南野が交代してて、あの試合に日本人がいるのかと思うと、改めて南野は凄いなと思いました。

また、僕はもっとアトレティコの試合見るべきだなと痛感させられた試合でもありました笑

 

では、最後までお読みいただきありがとうございました!

 

・引用元

アトレティコ公式Twitter

WhoScored