名もなきブログ

バルサを中心に書いていきたいと思います

〜流れを制したビルバオ〜 国王杯 準々決勝 ビルバオ対バルセロナ

どうも!名もなきクレです!

こういう理由で、レバンテ戦を飛ばし今回はビルバオ戦のマッチレビューを書きます! ビルバオ戦をきっかけにブログを書きはじめたので個人的には思い入れ深い試合です笑

そして、改めて思い返せば第1節でアドゥリスのゴラッソをくらって10年振り?の黒星スタートを切りましたね。今シーズンは特に苦戦していますが、そのビルバオの戦い方を注目して観たいと思います。

 

■スターティングメンバー

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バルサ

セティエン就任から全試合先発出場していたグリーズマンがスタメンから外れます。そして代わりに先発となったのはロベルト。ロベルトが右に入りメッシは中央に入りました。このスタメンだけ見ると所謂0トップをすることが出来そうですが、どのようにしてビルバオの守備を崩そうとするのか必見です。

ビルバオ

一方のビルバオは3-4-2-1のフォーメーション。おそらく、オールコートマンツーマンをしてくるでしょう。4-3-3との噛み合わせを考えるとブスケツマンマークする人がいませんが、そこら辺はどう対応するのでしょうか。

 

前半

バルサのボール保持時

・ビルドアップ

ビルバオのオールコートマンツーマン

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バルサはいつも通りCBとアンカー、インテリオール、SBでひし形をつくってビルドアップをします。

一方のビルバオは案の定、オールコートマンツーマンで試合に臨みました。この時、ムニアインをトップ下に置き、3-4-1-2のようなフォーメーションでした。そして、2トップの位置にいるイニャキとガルシアはテアとCBのパスコースをカットしながらゆっくりとプレスをかけにいきます。

バルサはロングボールを使わないビルドアップによりビルバオのマークを崩そうとしますが、ビルバオはボールを奪うことよりも人につくことを優先しているのでフリーマンがあまりできません。そのためビルドアップから有効的な攻撃を作るどころかビルバオに奪われることが度々… 

前半15分の変更

そこで、前半15分に、最前線にいる選手が1列降りてそこでロングボールを受けさせるようにしました。

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ビルバオバルサの選手をマンマークしているわけですから、インテリオールやブスケツがボールを受けに行こうとすれば当然マークしているビルバオの選手も降りていきます。その時に空いてくるのがブスケツの後ろのスペース。このスペースを使うべく、テアは1列降りてきたメッシやロベルトにロングボールを蹴ったわけです。また、たまにフレンキーが1列上がりボールを受けることもありました。

屈強なビルバオ

この変更はセティエンの意思によって変えられたのか、それともテアの独断による変更だったのかはわかりませんが、結構ビルバオに脅威を与えることができていました。しかし、このようなことをされるのをもちろんビルバオは承知していたでしょう。ここでビルバオがマークを緩めてしまえばバルサの選手が自由にビルドアップできるようになりますから、彼らは同じプランで戦い続けました。これは、優れたフィジカルを持った選手が多いビルバオだからこそできる戦い方ですね。

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30分37秒のシーンのようにビルドアップ中のパスミスラキティッチとテアの連携ミス)からショートカウンターをすることができてますし、同じ戦い方を貫いたビルバオの判断は正しかったと言えるでしょう。

バルサビルバオのCBの能力が高いのもあり得点をすることができませんでした。しかし、的確に相手の嫌なところをつけたということは評価しても良いのではないでしょうか。

 

・押し込んだ時の攻撃

バルサビルバオを押し込めた時は、いつも通りWGが中に絞りSBが高い位置をとっていました。ではビルバオはどのようにしてバルサから得点を奪われないようにしたのでしょうか。

ビルバオの守備ブロック

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図のようにビルバオは5-2-1-2のような守備ブロックで守ってきました。この守備ブロックはアトレティコのようなゾーンプレスとは違い、またリヴァプールのプレッシングをしているかのような守備ブロックとも異なります。「さすがに後ろが怖いからWBは最終ラインまで下がるけど他はほぼマンマークだよ」というような感じでした。なのでサイドに追い込もうといったような意識は感じられませんでしたが、人への意識が強かったです。

 

ビルバオのブロックを崩す方法その1

マンマークによる守備は相手との1対1で負けないことで優位性が保たれています。そのためバルサの選手がビルバオの選手との1対1に勝利することでビルバオの守備に大きな打撃を与えることができます。もう言うまでもありませんよね笑 彼はビルバオからしたら厄介すぎるのです。例えば4分の決定機。あれは完全にメッシの個人技によってチャンスが作られました。

 

ビルバオのブロックを崩す方法その2

この方法はビルバオに限った話ではありませんが、最近のバルサ(特にアウェー)で出来ていないことです。それはスペースを使おうとしたり広げようとする動くが少ないことです。

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例えばこのシーン。ブロックの外でブスケツがプレッシャーを全く受けずにボールを持っています。角度といい敵の場所といい、誰かが裏へ抜ける動きをしていればもしかしたら決定的なチャンスになっていたかもしれません。もし敵がついてきたとしても、その選手がいた場所にスペースができてそこを誰かが使って… このようにして誰かがランニングをすればチャンスになったかもしれません。この場所からアシストをするのはさすがのブスケツでも難しいのかもしれませんが、各選手の動きが少なかったので決定的なチャンスを作ることはできませんでした。止まって受けようとする選手ばかり… 

このようなことを意識していただければご理解いただけると思いますが、セメドがいかに攻撃面で貢献してくれているか。彼は裏へのランニングを何度もしてくれていました。実際に6分頃にはセメドが決定機を作っていましたね。もしファティやロベルトが積極的に動けていたら決定機が増えてどこかで点が入ってたのかもしれません。そういう意味でもやはりアルバはバルサにとって欠かせない選手なのかなとは思います。

 

ビルバオのボール保持時

では次にビルバオのボール保持時を見ていきましょう。

 ・ビルドアップ

各チームに狙い

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バルサはおなじみの4-1-4-1 でプレスをかけにいきました。バルサのSBはビルバオのWBにボールが入ったら厳しくプレスをかけに行っていたので「WBにボールが入ったら奪おう」というようなプランであったと思います。それに対してビルバオのビルドアップにはCBと2ボランチ、WBが参加しボランチはだいたい同じくらいの高さのままポジショニングします。そしてとりあえずシャドー(ムニアインラウール・ガルシア)に楔のパスを通そうとしていました。シャドーにボールが入った後イニャキにスルーパスをしたりすることが何度か。できるだけバルサが引き切らないうちに攻め切りたいというような意思を感じました。

 

詰まった時のプラン

しかし、常に楔のパスを通せるほどバルサの守備はザルではありません。そのためビルドアップが詰まったら無理せずにロングボールを蹴ることが多かったです。この時にロングボールを蹴る方向は空中戦が特に強いラウール・ガルシアがいるサイド。また、イニャキの裏抜けを期待してか、CB裏にまでボールを飛ばすこともありました。

 

・押し込んだ時の攻撃

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 試合を観る前は「WBでクロスをたくさんあげるのかな?」と思っていました。しかし実際に試合を観てみればムニアインやイニャキがチャンネルランを繰り返しています。そしてラウール・ガルシアはゴール前で競り合うためにチャンネルランをせず中央で待機していました。

このようにクロスを出し空中戦で勝利して得点しようとしていましたが、バルサのCBも競合いは強いです。そのため何度かヒヤヒヤするシーンは作りましたが、結局得点には至りませんでした。

 

 

 後半

両チームとも得点には至らないまま迎えた後半。両チームとも特別悪かったわけでもなかったので大きな変更は行いませんでしたが、ビルバオは少しだけ戦い方を変更しました。

ビルバオの修正

前半よりも前からプレスする時のインテンシティを下げてるように感じました。また、ボールを回しチャンネルランをしている選手にパスを出そうとする意思を感じた前半でしたが、ロングボールを用いての攻撃が増加します。例えばGKが裏へのロングボールをイニャキに蹴ったり持ち上がったWBがシンプルにクロスを上げたりするプレーなど。

修正の意図

ではなぜこのような修正を施したのでしょうか?それは後方にスペースを空けてしまうことを恐れたからだと考えられます。

先程述べた通り、前半のバルサビルバオのオールコートマンツーマンの仕組みを利用してブスケツの後ろに空いたスペースをメッシが降りたりして使っていました。また、ビルバオバルサを押し込んだ後にメッシが個人技で突破してチャンスを作るシーンも何度か。そのようなプレーをされないために無難な方法を選んだのでしょう。

 

攻められるビルバオ

このようにビルバオは無難とも言える修正を施したわけですが、実際はそこまで上手くいきませんでした。それは結果としてバルサに時間的な余裕を与えてしまうことになり、逆にバルサビルバオに簡単に押し込めるようになったからです。そうしてビルバオは54分頃に前半と同程度のインテンシティに戻すのでした。

 

■攻め続けるバルサ

54分にインテンシティを戻したビルバオ。これでバルサの勢いは止まるかと思われました。しかし、セティエンはその直後にグリーズマンの投入を決意します。この日のファティは少し止まって受けることが多くなっていましたが、積極的にグリーズマンが入った影響か周りの選手も積極的に動くようになりました。(ロベルト、フレンキー)

この試合で、ランニングを積極的に繰り返してくれてたのはセメドとアルバくらいでした。そのためメッシやブスケツなどのパスの出し手はいるのに受け手がいないなんてことが何度か。しかし、グリーズマンが入り周りの選手が動くようになったことで攻撃がうまくいくようになったのです。

しかしチャンスは作れても点を決めることができませんでした。そして75分頃には再び選手の動きが減ります。こうしてうまく攻めることができなくなりました。

 

■流れを変えたアドゥリス

78分、攻めがうまくいかなくなったバルサに対して、ビルバオはアドゥリスを投入することで状況を打開しようとしました。そう、19-20シーズンの開幕戦でゴラッソを決めたあのアドゥリスです。彼が途中出場したことで間違いなくビルバオの士気は高まったでしょう。その証拠として、少し下がっていたビルバオのインテンシティがアドゥリス投入後に上がっています。先程述べた通りこの時間帯のバルサはうまくいってなかったのもあってビルバオがボールを持てる時間はちゃんと与えられていました。このように、バルサの調子が落ちて逆にビルバオの調子が上がったことが、試合終盤で失点をしてしまった原因なのではないでしょうか?

 

 

こうしてバルサは0-1で敗北し、国王杯を敗退したのです。

 

 

雑感

自分の中では結構、衝撃的な出来事のように感じましたが今改めて見ると運が悪かったように感じます。まあ、こういう試合でも勝てることがCLを取れるチームの条件だとも思うのでやはり勝ってほしいですが…

ただ、バルベルデ時代の複雑なチームバランスのままポゼッションをして勝利してというのは僕らが思っている以上に難しいことだと思いますから、セティエンに対してはもう少し優しい目で見てほしいなとは思いますね。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました!