名もなきブログ

バルサを中心に書いていきたいと思います

〜シャルケの敗因とシャルケに必要なアプローチ〜 Bundesliga 第26節 ドルトムント対シャルケ 

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どうも!名もなきクレです。

ついにサッカーが日常に戻ってきますね笑 Youtubeでいろんな試合を漁っていたのでサッカーを観れてなかったわけではありませんでしたが、いざ再開の情報を聞いたときは嬉しかったです。そして開幕戦がレヴィアダービーという笑 いろいろ不安なことはありますが楽しみで仕方がないです!

マッチレビューの最初から見苦しい文をお読みさせてしまいましたが、今回の試合は特に気合を入れて書こうと思うのでどうか閉じないでください笑 

 

スターティングメンバー

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ドルトムント

やはり怪我人が目立ちますね。ロイス、ヴィツェル、ジャン… 恥ずかしながら彼らが怪我しているというのを試合当日に知りました。順位や中断前の調子を考慮すると比較的ドルトムントの方が有利ですが、ロイスをはじめとした主力がいないのは試合にどう響くのか。そこに注目ですね。

 
シャルケ

やはり注目はアリ。普段ブンデスを全く観ない僕ですら知ってる選手ですからどんなプレーを見せてくれるのか楽しみです。そしてトディボが先発!やはりクレにとってはトディボのプレーが観れるというのは嬉しいですよね。クレじゃない方もぜひ注目してほしいポイントです。

 

前半

ドルトムントのボール保持時

・ビルドアップ

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ドルトムントは上の図のようにCBとWB、2ボランチがビルドアップに絡んでいました。そして、ビルドアップ時の狙いは前線にいるハーランドやアザール、ブラントに楔のパスを通すこと。これを目標にボールを回していました。また、2ボランチは特にダフートが降りてくることが多かったです。

このようなドルトムントのビルドアップに対してシャルケはシャドーの選手がボランチを、WBがWBを、ラマンがCBを見るなど割と人への意識が強めなプレスをしてきました。実際、試合開始直後後はシャルケの前プレ(前からのプレス)に苦戦していましたね。

少し話が脱線しますが、個人的にはビルドアップ時にロングボールを使ってないことに驚きました。最終ラインにはフンメルスなどロングボールを蹴れる人はいますし、起点はハーランドにすれば良いですし… 幸いこの試合のドルトムントはビルドアップでボールをたくさん取られたりすることはありませんでしたが、ロングボールを蹴るという手段を選択肢として持っておいても良いのではないかなとは思いました。まあ、普段ドルトムントの試合を観てない僕が言えることではありませんよね笑 ただ、ロングボールを適度に用いれば前からプレスに来る相手に対して牽制することかできますから、選択肢として持っているに越したことはありません。

 

・押し込んだ時の攻撃

シャルケは、ドルトムントボランチがセンターラインくらいまで侵入してきたら、WBがサイドに降りて5-4-1のブロックを作っていました。

一般的な5-4-1

まずは軽く5-4-1の守備ブロックの特徴について抑えていきましょう。

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長所

  • 後方に人数をたくさんかけれる
  • 中盤に4人いるのでスライドも早い
  • SB裏に対しての処理もやりやすい
  • ライン間にボールが入った時の処理もしやすい

 

短所

  • 相手に前からプレッシャーをかけにくい
  • カウンターをしにくい

 

5-4-1の守備ブロックにはこのような特徴があるので、基本的には後方で待機して相手に対してはあまりプレスをかけに行かないという戦い方に向いている守備ブロックです。(要するに後方で引きこもるのに向いた守備ブロックであるということです)

ただ、1つ頭に入れておいていただきたいのは、どんな守備方法だとしてもライン間で相手に前を向かせてはいけないということ。ライン間で前を向かれれば守備のズレを簡単に使われてしまいますから、これは絶対に避けなければなりません。

それを踏まえた上で一度シャルケの守備を思い出してみてください。

 

シャルケの5-4-1

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図のように、シャルケのの中盤は積極的に前からプレッシャーをかけにいくことがよく見られました。しかし、中盤が1人飛び出せば中盤の人数が4人から3人となります。3人ではやはりライン間にいる選手へのパスコースを全てカバーするには限界があります。そして単純にライン間を守ろうという意識があまりなかったように感じましたね。

そのためドルトムントは簡単にライン間へ楔を通すことが出来ていました。

 

ドルトムントの狙い

先程述べた通り、シャルケは簡単に楔を打ち込める状況であったわけですが、ビルドアップ時のドルトムントの狙いを覚えていらっしゃるでしょうか?そう、ハーランドなどの前線にいる選手へ楔のパスを通すことです。ドルトムントは、シャルケを押し込んだ後も同様に楔のパスを通すことを狙っていました。シャルケの守備があのような状況でしたから当然、ドルトムントは簡単に狙いを遂行することができました。

 

楔を通した後のドルトムント

では楔が通った後の攻撃を見ていきましょう。

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ドルトムントは上の図のように、ボールを持っている選手以外が最終ラインの裏へ目掛けて走るというようなルールとなっていました。このようにたくさんの人数がランニングすることで多くのパスコースを作ろうとしたわけです。

これに対してシャルケはなすすべがありませんでした。中盤が前に出て行ってしまっていますからボールを受けた選手はフリー。シャルケのCBがボールを持っている選手にプレスをかけに行こうとすれば、裏へ走る選手にボールが入る… こうして一方的に攻撃されたわけです。

このような攻撃の最もわかりやすい例が1点目の得点シーンです。ピシュチェクからブラントへ楔が入り、ブラントが後ろ向きのままワンタッチでアザールへ。そしてアザールの美しいクロスに上手く合わせたハーランド。このシュートが入った時思わず声を出してしまいました笑 このようにライン間でボールを持てたことが得点に繋がったのです。

 

シャルケのボール保持時

・ビルドアップ

シャルケドルトムントのビルドアップと同じように、CBとWB、2ボランチ(マッケニーがアンカー的な役割)がビルドアップに参加していました。一方、ドルトムントシャルケがビルドアップ時にかけてきたプレスのやり方とは異なりゾーンの意識が強く、インテンシティも最初から落とし気味なように感じました。そして、上手くシャルケをはめ込む機会があれば下の図のようにプレスをかけにいっていました。

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ただ、「この形を毎回作って即時奪還!」という感じではなく、あくまで「はめ込めそうだったらシャルケをはめてボールを奪おう〜」というようなモットーでプレスを行っていました。

この試合でのトディボ

個人的に、シャルケのビルドアップで気になったのはトディボ。彼の持ち味は最終ラインからドリブルでまた上がれることだと思うのですが、この試合ではあまりなかったような気が… 監督に言われたのかそれともコンディションの問題なのかよくわかりません。今日の彼のパフォーマンスはなんとも言えませんでしたが、怪我が大事でないことを祈るのみです。

 

そして、ドルトムントボランチがセンターラインを超えたあたりまで押し込まれるとドルトムントシャルケと同じく5-4-1の守備ブロックを作り始めていました。シャルケよりもドルトムントの方が前プレと守備ブロックの移行が早かった印象です。

 

・押し込んだ時の攻撃

先程述べた通り、5-4-1のブロックは後方のスペースをケアした分前線にプレスをしにくく、またカウンターをしにくいフォーメーションとなっていました。なので5-4-1を使うなら後方に引いて守るのが良いのではないかと書かせていただきました。

そしてドルトムントは今書かせていただいたような戦い方を実践します。

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では、このようなドルトムントの守備に対してシャルケはどう攻めようとしたのでしょうか?

 

ライン間に侵入できないシャルケ

彼らの中でおそらく「アリなどに預けてそこからの連携やドリブルで得点!」というようなプランがあったのではないかなと思っています。

ドルトムントが攻撃してた時は簡単にライン間へ楔を入れることが出来ていましたよね。(シャルケの守備が良くなかったから…)しかし、ドルトムントの中盤は前からプレスをかけに行くわけではなく、ライン間にボールを入れられないことに専念しています。そのためライン間にボールを入れれる機会が少なくなっていました。

たとえ、ライン間にボールが入ったとしても実況解説の方が試合中おっしゃっていたようにシャルケのCFであるラマンはライン間でボールを収めることができておりませんでした。

そして、シャルケの選手の動きが若干少ないように感じましたね。「ライン間で受ける時に、近くにいる人が裏を目掛けて走り出す」などの動きがもし出来ていれば、ドルトムントの選手が走っていった選手についていってボールを受けた選手はフリーみたいな状況に出来たかもしれません。

 

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こうして試合内容、前半の結果ともに圧倒的な差がついた状態で後半に入りました。

 

 

 

後半

前半とても上手くいったドルトムントは後半も同じプランのまま試合に臨みました。

 

シャルケの修正

シャルケはラマンをマトンド、トディボをブルグシュタラーと交代し、フォーメーションを3-4-3から4-3-3に変更しました。

 

・守備時の変化

説明の便宜上、守備から触れていきたいと思います。

前半は5-4-1で守っていたシャルケでしたが、後半は4-3-3で守備をします。軽く4-3-3での守備における強みと弱みについてまとめたので下の図をご覧ください。

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このように中盤のスプリント力ありきの戦術なわけです。普段4-3-3で守備をすることが多いリヴァプールの中盤を考えていただけるとわかりやすいやすいと思います。

 

・攻撃時の変化

一応、3-4-3から4-3-3からシャルケではありますが、あまり押し込んだ時の攻撃に変化はなかったように感じます。下の図をご覧ください。

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図を見ていただければわかると思いますが、4-3-3って3-4-3から少し移動させるだけでできるんですよね。そして、単純な縦移動のみの移動で変わる変化なので相手を押し込んだ時の攻撃は両方とも同じような形になります。

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このように押し込んだ時の攻撃では大きな変更はありませんでしたが、守備時の形を考えるとカウンターによる得点を意識したのではないかと考えられます。

先程も述べた通り、守備時は4-3-3。前線に3人残るわけですから当然、カウンターをしやすくはなりますよね。

 

・攻撃的な修正をしたが…

中途半端な守備

先程も述べた通り、普段リヴァプールが用いる4-3-3で守備を行いました。では、実際サイドでドルトムントを押し込んで圧縮することは出来ていたのでしょうか?

答えから言うとできていません。WGとSB、インテリオールの間のスペースにドルトムントの選手が入ってきたら、とりあえずSBが1列上がって対処するというような感じになっていました。こういう感じで中途半端な守備になるなら、わざわざ4-3-3で守備をする必要はなかったのではないか?とは思います。

 

根本的な解決には至らない攻撃

後半の出だしは良いスタートを切りました。しかし、それはフォーメーションの変化によってドルトムントが混乱しただけだったように思えます。実際、48分には失点をしてしまっていますしね…

では何が良くなかったのか。前半でも書かせていただきましたが、シャルケの各選手の動きがほぼなかったことが一つ挙げられると思います。ライン間で前を向けたとしても、裏へ走る人が誰もいなければ、相手はそのままボールホルダーに中盤がプレスをかけに行けば良いだけなので処理するのは簡単です。

では、ランニングする人がいれば攻撃は良くなるのか。もしこのような質問をされたら僕はYESと返すでしょう。その理由については、前半のドルトムントの攻撃について振り返っていただければおわかりいただけると思います。

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ドルトムントは上の図のように、ボールを持っている選手以外が最終ラインの裏へ目掛けて走るというようなルールとなっていました。このようにたくさんの人数がランニングすることで多くのパスコースを作ろうとしたわけです。

これに対してシャルケはなすすべがありませんでした。中盤が前に出て行ってしまっていますからボールを受けた選手はフリー。シャルケのCBがボールを持っている選手にプレスをかけに行こうとすれば、裏へ走る選手にボールが入る… こうして一方的に攻撃されたわけです。

 

 

 

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こうしてシャルケはなすすべがないまま試合は終わり、レヴィアダービーを4-0で圧勝しました。

 

 

 

シャルケの修正案

結局攻めも守備もあまり上手くいかないまま4失点してしまったシャルケですが、ここではシャルケが試合中にどのような修正をすべきであったかを勝手に考察したいと思います笑

 

・攻撃

まずは攻撃から考えていきます。

中央からではなくサイドから攻める

先程述べた通り、シャルケは中央でボールを収めることが出来ていなかったわけです。「中央でボールを収められないならその選手だけ変えた方が良いじゃん!」と思う方もいらっしゃると思います。実際、前半にライン間でボールを収められていなかったラマンはハーフタイムで交代させられています。しかし、僕は戦術を変更することによって選手が混乱してしまって逆に悪くなる可能性を含めてもサイドからの攻撃が良いのではないかなと思います。

  • ドルトムントはライン間に入れさせないという意識が強いからそもそも中央からの侵入は難しい
  • 5バックでもあるから中央から崩すのはやはり困難
  • そもそも選手のランニングなどか少ないので流動的に崩すのは難しい

このような理由からサイドからの攻撃にシフトチェンジすべきであったと思います。実際25分35秒頃に事故気味でしたが、シャルケはクロスからチャンスを作っていましたよね。

もちろん、もし各選手の動きを活発に出来るのならば同じシステムのままでも良いと思いますが、実際各選手の動きをハーフタイムのみで変えるというのは難しいので現実的なプランではないように感じてしまいます。

 

・守備

5-4-1で積極的にプレスをかけにいくというのは、5-4-1のシステムを考えると理にかなっていません。そして45分が経過した時点で2失点ということを考えると、気持ちを切り替えるという意味合いも含めてシステム変更を行うのが良いのではないかなと思います。

4-4-2への変更

カウンターでの得点を狙い、そして前からプレスをかけにいきたいということを考えると2トップの守備陣形。この時点で4-4-2、もしくは5-3-2に絞られます。そしてライン間に入れようとしてくるドルトムントの攻撃を考慮すると、中盤の人数が多い4-4-2が最適なのではないかと思います。

ただ、シャルケが普段どういう守備をしているのか全然わからないので、普段から使い慣れてる守備ブロックなどがあるのならばそれでも良いのかなと思います。まあ4-4-2ならどこのチームでも比較的やりやすいので、後半から4-3-3で守備をしたシャルケなら出来ると思いますが…

 

 

 

雑感

ダービーなのに悲惨な結果となってしまったシャルケですが、バルサにとって決して対岸の火事であるとは思えません。

例えば、アウェーでのバルサビルバオ戦でのマッチレビューでも書きましたが、やはりボールを持った時に周りの選手の動きが少ないですよね。

そういう意味であるある種の危機感を感じさせられる試合でありました。

ただ、なんにしろ久しぶりに生の試合を観れたのですごく楽しかったです。そして早くバルサの試合を観たい!!

 

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

 

写真引用元

ドルトムント公式Twitterより