【マッチレビュー】 19-20 LaLiga 第23節 ベティス対バルセロナ
こんにちは、名もなきクレです。ビルバオに惜敗し国王杯から敗退したバルサは早くも三冠を逃してしまいました。今節は、アレニャが今所属していて、セティエンが前指揮していたベティスとの試合。前回の試合ではカンプ・ノウで快勝しましたが、ビルバオでの負けを引きずることなくベティスに対してアウェーでバルサが勝つことができるかが注目されます。
・スターティングメンバー
バルサは当初ロベルトをウィングに添えた4-3-3かと思いきやビダルをトップ下にした4-3-1-2で来ました。また、左サイドバックはビルバオ戦で叩かれ気味だったアルバをフィルポに、CB陣はフランス左利きコンビに変えられてます。フィルポはここでアルバのスタメンを破るプレーができるかが注目です。一方、ベティスは4-1-4-1でアレニャがスタメンに入っています。
・前半
バルサのボール保持時
4-3-3から4-3-1-2に変更した理由
バルサは前回のビルバオ戦の4-3-3とは違う、ビダルをトップ下に置いた4-3-1-2のシステムを用いました。
システムを変えた意図としてはトップ下にビダルを置くことでネガティブトランジション時でのボール奪取の確率をあげたり、相手のアンカーをビダルにマークしてもらって相手の攻撃をうまく活かせないようにしたり、ビダルが攻撃に参加しやすくするために4-3-1-2を用いたのではないかなと思います。
このシステム変更により4-3-3の時よりも中央に厚みが出やすいのはなんとなく想像つくと思います。その厚みによって選手間の距離が縮まります。それにより、ボール保持時にはパス回しのテンポがよくなりやすく、ネガティブトランジションの時にもボール奪取がしやすくなるというのもあると思います。
また、現段階ではファティとアルバの連携が良いとは言えないのでファティとアルバ同時出場は避けたというのもあるかと。(単純にファティ休ませたかっただけかもしれませんが)
バルサのビルドアップ
バルサビルドアップ時、イグレシアスがブスケツをみていました。また、ベティスは基本的にパスコースを消す守備をし、バルサの前進を止めさせようとするプレスをかけていました。そして、フリーのバルサSBにボールが来たときにベティスのSBが蓋をして奪おうとしていました。
そのようなベティスの守備によりビルドアップが詰まってしまった時は無理にボールを出さずテアにボールを戻すことが多かったです。上の画像はその時の各選手の配置です。
エメルソン、アレックスがセメド、フィルポをどのくらい追うかによって変わるのですが、エメルソンたちが低い位置をとっているときはテアを含めて(ビダルは含めない)8人対5人の数的有利やテアの異次元の配給能力により比較的楽にビルドアップすることができました。
ただ、試合序盤はテアにボールを戻すという考えがそこまで強くなく、テアにボール戻さずにボールを回していたらベティスのSBに蓋をされてしまいボールを失うというシーンはいくつかありました。(1点目のPKのきっかけもこのようなミスからでした)
エメルソン、アレックスもビルドアップを止めるために守備参加し出すと、SBが開くとともに最終ラインが完全に数的同数になります。テアやフレンキー、グリーズマンはそのようなスペースを見逃さずそこを活かそうとしました。
一方、アレックスの裏は使っている人がいなかった印象です。右インテリオールにロベルトを置いたのはロベルトのウィンガーしての素質を活かして空いたスペースを有効的に突いて欲しかったからアルトゥールを選ばずにロベルトを置いたのだと思いました。
ロベルトがスタメンになるためにも空いたスペースを使うという役割は果たしたいものでした。
バルサが押し込んだ時
ビルドアップを成功させるとベティスは4-1-4-1でバルサを前進させない守備をしてきます。そして、さらに押し込んだ時、ロドリゲスの判断により最終ラインに入ったりして5-4-1のゾーンで守備したりしました。
ベティスは縦横ともにコンパクトなブロックを作っていますが、サイドがコンパクトすぎてセメド、フィルポなどによる攻撃をもろに受けていました。
ただ、フィルポはウンティティから飛んできたフィードをスペースで受けるのではなくスペースの手前で受けてしまっていたので効果的な攻撃に繋がることは出来ませんでした。
フィルポに対しては時期的にもう完全に適応してほしいというのが本音ですが、リーガ初出場の時と比べたらちょっとは良くなってきてる気がしますし、自信を持ってプレー出来てないのがうまくプレー出来てない原因だと思うので、もう少し我慢が必要なのかなって思ったりします。彼、アシストとか得点出来たら一気に改善されていくと思うので笑
そしてメッシとうまくポジションチェンジするフレンキー、もうさすがとしか言えません笑
彼のポジジョンチェンジにより中盤と前線のバランスが保たれています。セティエンの指導により裏へ抜ける動きもするようになったフレンキーはついにその成果を結果に残すことが出来ました。本当にこれからが楽しみです笑
また、グリーズマンもフレンキーのように特別目立つわけではないけど、ビルドアップ時最終ラインと数的同数の時に裏抜けする、サイドにセメド、フィルポがいないときにサイドに貼るなどの気の利いたプレーによりチームをうまく回していました。
ビダルが活躍できなかった理由
今日のビダルはトップ下の役割を担っていました。そして、ボールを押し込んだときはベティスの最終ラインかライン間くらいの場所にいることが多かったです。しかし、この位置だとベティスCBの視界に入っておりビダルが裏へ抜ける動きをしてもそのままCBがついてきてしまいます。なのでビダルが裏でボールを受けるシーンはほとんどなかったと思います。
また、ビダルは2失点目に繋がるトラップミスをしてしまったのも印象を悪くしてしまいます。
ただ、フレンキーの得点はビダルが最終ラインでベティスCBを釘付けにしていたからフレンキーが裏抜けできました。また、大きな声で褒めれるものではありませんが、イエローをもらってしまったシーンなどのように守備面では頑張ってくれていました。
なので一概に悪い配置とは言えませんがビダルの良さを活かしきれてないのも事実です。
ベティスのボール保持時
ベティスのビルドアップ
ベティスがビルドアップをするとき、詰まってしまいロブレスにボールを戻すことが多かったです。バルサのパスコースを無くしていくプレスによってロブレス→イグレシアス、となることが多く、後ろからしっかりとつなげているシーンは少なかった印象です。
ただ、ブスケツもプレスに参加してしまいCBの前に大きなスペースが空いてしまっていました。
ロベルトはそのような場所をケアしたり、プレスに参加しているわけでもなく中途半端な立ち位置をとっていて、正直なにをしたいのかがわかりませんでした。なのでロベルトにはそのようなスペースをケアして欲しかったです。
ベティスの攻撃
ベティスの攻撃はポジティブトランジション時のカウンターとロブレス→イグレシアスなどからの攻撃がメインでした。
これの攻撃をもろに受けたのは先程に述べた通り、CBの前方に大きなスペースが空いているからだと思います。
ベティスは、フェキルなどが魅力的なドリブルを披露していました。しかし、フェキルが決めた時もボールロストした後CBの前に空いたスペースを使われスムーズにボールを進ませたのが原因でした。
なのであのスペースを見ている人がいたらクリーンシートも夢じゃないのかなって思ったりします。
また、ベティスに押し込まれた時4-4-2のブロックを作っていましたがフィルポが少し自由にプレスかけに行き過ぎていた印象です一人だけ自由にプレスかけに行きすぎるとスペースが空いてしまうのでそういうところは改善していってほしいです。
前半ラストのブスケツのゴールが本当にラッキーでした。彼のゴールのおかげで後半をベティスと同じ状況で入ることができました。
後半はおそらくベティスのインテンシティが落ちると思いますのでさらに点を決めれることを期待しましょう笑
・後半
前半からの修正点
まず、バルサがハーフタイムに修正してきた点はビダルとロベルトの動きだと思いました。セメドがサイドで張っていないときにビダル、もしくはロベルトが張っていたり、前半ではあまり見られなかったロベルトの前への走りが見られました。
また、攻撃の時にブスケツがそこまで前に出なくなり、CB前方のスペースをケアするようになりました。
一方、ベティスは前半と同じような戦い方をしようとしたため後ろからのビルドアップはそこまでうまくいかず、また、バルサのネガティブトランジション時のポジショニングも改善されているので有効か攻めをすることができませんでした。
このような改善のおかげで後半ベティスに打たれたシュートは1本だけしかありませんでした。
交代の意図
バルサは途中でビダルをアルトゥールに、フィルポをアルバに変えました。
正直、後半のビダルはそこまで悪いパフォーマンスだとは思いませんでしたがアルトゥールと交代しました。
ハーフタイムの修正によりロベルトは前へのアプローチをするようになりましたのでわざわざビダルにも前への動き出しをしてもらうよりもアルトゥールをトップ下に置きパスのテンポを作ってもらおうとしたのではないでしょうか。
フィルポを交代したのは、アルバにすることによりメッシとの連携の良さなどを活かして得点に絡んでもらおうとしたからだと思います。
要するにこの2人の交代はパスのテンポを良くし、選手間の連携を活かそうとする交代だったのでしょう。
しかし、実際はアルバが出てきた後そこまで大きなチャンスをつかれたとはいえませんでした。
それはあるはアルバのサイドの裏を使う動きが少なかったからだと思います。(フィルポは手前で受けている動きが多かった)この動き自体はたまにしてましたがセメドの方が裏をつく動きを多く見せていて良かったです。
これもアルバのメンタルとか関係しているんでしょうかね?
うまく進んだ後半
後半はほぼ常にボールを握り、ベティスに攻撃させる機会はほぼありませんでした。
しかし、試合展開はビルバオ戦ととても似てたのに今回の試合では勝てたのはなぜなのでしょうか?
それはチームが良い時間帯で点を取ることができたことからです。前回の試合ではたくさんのチャンスを作りながらも結局点を決めることができず相手に「もしかしたら勝てる」という気持ちを持たせてしまった結果負けてしまいました。しかし、今回の試合ではラングレのセットプレーにより点を取り、チームがうまく行ってないことに対してフラストレーションを感じさせ結局フェキルが審判への抗議で退場しました。(そのあとラングレ退場してしまいましたが😅)
そしてバルサはアウェーで3-2で勝利を収めることができました。
・雑感
とりあえずビルバオに負けてしまった直後で、ベティスアウェーで勝利できたのは良かったです。個人的にウンティティのドリブルしていくビルドアップが印象に残っています。なんで今季前半、あそこまで干されてたかが不思議でしょうがないです。僕、結構ラングレ好きなので、点は決めましたがラングレが若干穴みたいになっているのがちょっと悲しかったです。
あとあのような主審だとどうしても後半11人じゃなくなってしまうので面白さ的にも人が減らないような判定にしてほしいなって。
また、バルサの今後の課題として、試合を通して安定した守備を行えることが大事だなと思いました。
今節の試合がハラハラドキドキの内容で分析どころではなかったのでベティスについて全然触れられてないですが、最後まで読んでくださりありがとうございました。