〜マジョルカ完敗の理由を探る〜 La Liga 第28節 マジョルカ対バルセロナ
どうも!名もなきクレです!
ついにバルサにもフットボールが帰ってきますね。わくわくが止まりません笑 個人的には3rdユニの色合いが好きなので3rdユニを着てるというのも楽しみです!あと交代枠5枚っていうのも良いですよね。久しぶりにトップチームでのリキを観れることを期待したいと思います笑
ただ、マジョルカには久保建英がいますのでデリケートな試合ではありますよね。実際Twitterでいろいろ揉めてましたし…
試合前にはいろいろネガティブなことが目立ちますがとにかく楽しんで試合を観たいと思います笑
スターティングメンバー
バルサは割と無難に来ましたね。大事をとってスアレスはベンチスタート。そしてピケの相方にはアラウホが選ばれました。アラウホは確か以前デンベレとともに退場になった時以来の出場ですかね?
一方のマジョルカは久保が先発しております。ぶっちゃけ普段のマジョルカのことは全然わかりませんが、守備時にどこで追い込もうとしているのかを気にしてみたいと思います。
前半
■バルサのボール保持時
・マジョルカの4-4-2
マジョルカの守備があまり良くなかったというのは多分皆さんが抱いてると思いますが、実際マジョルカの守備のなにがよくなかったのでしょうか?まずはそんなマジョルカの守備の特徴から振り返っていきたいと思います。
基本的には中央に侵入させまいとコンパクトな4-4-2を作るマジョルカ。中央にスペースを作らないようにするためか、あまり前からプレスをかけに来ないで基本的にゾーン2までブロックを引いていました。
そして比較的ゾーンの意識が強く、4枚の中盤の前でバルサの選手がボールを受けようとしたら中盤がプレスをかけ、ライン間に入れられたらCBは動かず中盤がプレスをかけました。
このようにライン間、CBの裏を抜かれないように警戒していたマジョルカですが、バルサのボールを持っている選手に対して的確にプレッシャーをかけれているとは言えない状況になっていました。プレッシャーをかけれてないというのは語弊がありますね。正確には、どこでボールを奪うのかということをチームとして意識を共有できてないということです。どこでボールを奪うのかという意識がなかったのでマジョルカはバルサからボールを有効的に奪うことができませんでした。このようにしてマジョルカはズルズル引いていくことが多かったです。
あとDFラインを上げれてなかった印象もありました。例えば、バルサがサイドに展開した後に詰まってバックパスを出した時。もしかしたらチームとしてDFラインは上げない方針だったのかもしれませんが、ホームの割には消極的だなとは思いますね。
散々「後ろに引くこと=悪いこと」みたいな感じで書いてきましたが、実際後ろに引くことは悪いことなのでしょうか?
答えは否。1番大事なことは相手にゴールをさせないこと、つまり相手にスペースを使わせないことが1番大事です。ではマジョルカはバルサにスペースを使わせないことができていたでしょうか?
上の図はマジョルカの守備ブロックが右へスライドした時の動き方を表しています。中央のスペースを守るためか、最終ラインはそこまで大きくスライドしてませんでした。しかし中盤の4枚はしっかりとスライドをするのでブロックにズレが出来ています。
後で詳しく触れますが、ここのスペースを使われてたことでバルサはサイドの深い位置まで侵入することができました。このようにスペースをバルサに使わせないようにできるかというと微妙でした。
・ビルドアップ
では、マジョルカの守備の特徴を頭に入れつつバルサのビルドアップを見ていきましょう。
先程、マジョルカはあまりバルサのボールを持っている選手に対してプレッシャーをかけれてなかったと書いた通り、バルサは比較的楽にボールを持つことができました。
そして、前からプレスに来ることもあまりなかったのでテアからビルドアップが始まることはあまりなく、基本的には上の図のような位置からビルドアップが始まります。この時、マジョルカの2トップのどちらかがブスケツをマークし、もう片方がボールを持つCBにプレスをかけるという形をとりました。
そして、適度にライン間へボールを通すことを狙いながらマジョルカを左右に揺さぶり、守備ブロックに隙間を作ろうとしたのです。
余談ですが、正直このときにマジョルカの選手がブスケツをマークしていたのは特に意味がないように感じました。相手のプレスが強いとどうしてもプレス耐性が抜群に強いブスケツを経由できなければ上手くボールを回せませんが、この試合のマジョルカはプレッシャーが弱い。多分バルサの選手はブスケツを経由出来ないことをそこまで苦に感じてないでしょうからね。言い方が酷くなってしまいますが、「ブスケツをマークする前にプレッシャーかけに行った方がいいのでは?」とは思います。
このようにマジョルカが引き気味であったためにバルサは落ち着いてボールを回すことができました。まさにその恩恵を受けたといえるのが1点目の得点シーン。アルバから、裏を狙うブライスワイトへ良いフライパスを出せたことでマジョルカのラインを下げ、そしてそこからブライスワイトが起点となりました。
・押し込んだ時の攻撃
押し込んでもやはり4-4-2のマジョルカ。当然止まってるままでは相手を崩せないのでバルサの選手は動いて変化を起こそうとします。そしてバルサの各選手の動きを一つの図に表すとこんな感じになります。
個人的に驚いたのが、連携の良さが中断前とそこまで変わってないこと。少しくらいは連携が悪くなるもんだと思ってたので、ちゃんと奥行きをとる人がいてライン間に構える人がいるのはシンプルにすごいなと思いました。
そして特にロベルトのパフォーマンスはすごかった!
上の図はマジョルカの守備ブロックが右へスライドした時の動き方を表しています。中央のスペースを守るためか、最終ラインはそこまで大きくスライドしてませんでした。しかし中盤の4枚はしっかりとスライドをするのでブロックにズレが出来ています。
上の文章は先程マジョルカの守備の特徴について書いたときの引用ですが、ここのズレをロベルトが上手く使っていました。例えば6分10秒のシーン。
もちろんマジョルカが守備に弱点を抱えていたというのもあるのですが、それでもそこを何度も突いてくるロベルトはさすがですね笑
このようにマジョルカは中央に侵入されないよう意識してはいたものの、バルサに自由にボールを持たれ、そしてバルサからボールを奪う方法を共有できていませんでした。そのためバルサにスペースを自由に使われてしまい数多くの失点をしてしまったわけです。
■バルサのネガトラ
この試合でのネガトラは割と良かったですよね笑 良い距離感だとネガトラが上手くいくというのを今日は体現できてたのではないかなと思います。ただ個人的には22分30秒あたりの時みたに、アンカーの位置にいる選手(基本的にはブスケツ)までネガトラに参加してフィルター役の選手がいないなんてシーンがチラホラあったのが不安です… この試合ではそこまで大惨事になりませんでしたが、ビッグマッチとかになると普通に直接決めてきたりしそうですからね。
となるとやっぱりメッシにもネガトラの数秒間くらいは頑張って欲しいかなあ… そしたらブスケツが中盤の底の位置から出なくても済みそうですし。
■マジョルカのボール保持時
・マジョルカの攻撃
マジョルカは基本的に大外をSB、ハーフスペースをSHが担当していました。そしてこの2人でサイドを突破し中央で2トップが受けるという具合でした。
ただ、選手間の距離感が遠くどうしても個人での突破に頼らなくてはいけなくなっていました。そこで異彩を放っていたのが久保。20分頃の回転がかかったシュートや直接フリーキックはヒヤヒヤしましたね。
そして解説の方も話してましたが久保などがボールを持った時に前線の選手がアクションを起こせてないなんてシーンが何度かありました。
このように全体の試合展開としては圧倒的だったのにも関わらず、度々チャンスを作られたバルサ。もちろんネガトラの失敗などによるピンチもありますが、基本的にはバルサの守備構造的な問題が影響していると思っています。
・バルサの守備
セティエン就任以来4-1-4-1を使うことが多いので無難に4-1-4-1で来るかと思っていました。しかし、実際は4-4-2。スアレスが後半に入ることを見越してなのでしょうかね。
と、まあ話を本題に戻しましょう。
バルサの4-4-2
- ブロックの前方で自由に持たれがち
- 前で持たれないようにブスケツなどが前に出ていくが裏にスペールが空くというジレンマ(下の図)
このようにどうしてもブロック前方にいる選手にプレッシャーをかけることが難しいのです。そのためにマジョルカの選手たちは楽にボールを持つことができました。そしてボールを奪えぬままどんどん最終ラインが後退していきズルズル押し込まれていったとわけです。
バルサに複雑な事情があるのはわかってるのでこんな守備はダメだ!と否定するつもりはありませんが、再び4-4-0が帰ってきたなとは思いましたね。
後半
■マジョルカの変更?
マジョルカがどういう修正を行うんだろうと後半は割と楽しみにしておりました!
実際一応戦い方を変更しているようには見えました。それは前からプレスをかけに行く時。オールコートマンツーマンに変更しているように見えました。しかし、相変わらずボールを持ったテアにまでは積極的にプレスをかけるたりすることはなかったので若干中途半端な変更だったのかなとは思いました。テアの場合普通にフィールドプレーヤーと同じくらいパスが上手ですからね。
ただ、もう少し積極的にいくことを期待してたのでちょっと残念に感じました。
■バルサの交代の意図
いろいろ期待された交代枠5。個人的にカンテラーノたちを出して欲しかったなとは思いますが、再開直後の試合ですからやはり試合慣れさせる意図があったのかなと思います。
まあ、嫌というほどこれから過密日程が続きますので気長にリキ、コジャドたちが出るのを待ちましょう。
そして個人的に注目したいのはフレンキーとフィルポの交代。
フレンキーとフィルポ交代したのはメッシトップ下の4-2-3-1を試そうとしたのかなって思ったけどもう少し早く動いても良かった気はする
— 名もなきクレ (@namonakicule) 2020年6月13日
試合が終わった時はこのように思っていました。ただ、実はメッシをトップ下て試すということよりもアルバを攻撃面で活かしたいのではないかと思っています。
前回対戦のソシエダ戦の時に確か試合終盤にWGでアルバを起用してましたよね?
アルバのWG起用は驚きました。また、アルバが左WGに入るに伴ってファティは右WGに入りました。
「ファティ右WGはどうなんだろうな?」って思っていましたが、95分頃のプレーのようにファティとアルバが起点となってシュートまで持っていくことが出来ました。結局オフサイドでゴール取り消しになってしまいましたが、とてもポジティブなシーンだと思いました。
また、この交代には、アルバを左WGに置くことにより守備力を増やすという意図もあったと思っています。6分しかこの配置でプレーしていませんが、みなさんの中でのインパクトは大きかったでしょう。
(ソシエダ戦マッチレビューより)
ファティ、ブライスワイトのようなサイドに張る左サイドの選手は、アルバにとってどうしてもやりにくくなってしまうと思うので、彼らの共存を試みてるのかなと思いました。アルバの飛び出しの上手さや守備面を考慮したらSBよりも高い位置にいさせてた方が良いですしね。
雑感
スタートとしては最高!メッシが1得点2アシストで、ブライスワイトも初得点決めて… スアレスも調子良さそうでしたしね。
あとアラウホのパフォーマンス良かったと思います笑 ビルドアップ面で少し観てて不安になることもありましたが、これからも頑張ってほしいですね。
ただ、やっぱり守備面が不安だなとは思います。リーガならなんとかなりそうな気はしますが、やっぱりCLが… いろいろ諸事情があるのは承知の上ですが、4-4-0以外の最適解を見つけてほしいなとは思います。
久しぶりに書いたのもあってか全然文章がまとまらなかったのでいつもにまして読みにくかったかもしれませんが、大丈夫だったでしょうか?笑 それでは最後までお読みいただきありがとうございました!