名もなきブログ

バルサを中心に書いていきたいと思います

〜流れを変えたロペテギ〜 La Liga 第30節 セビージャ対バルセロナ

どうも!名もなきクレです!

今回の試合は少し残念な結果に終わってしまいました… 確か次節マドリーがソシエダに勝てば勝ち点が並ぶんですよね?そう考えるとやはり勝ち点1は厳しいものがありますが…

とまあ、ネガティブな話は置いといてマッチレビュー書いていきます笑

 

 

スターティングメンバー

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個人的に驚きだったのはスアレスがスタメン入りしていること。レガネス戦でのスアレスは怪我でもしているんじゃないかってくらい足を重そうにしていましたがね。そしてインテリオールにはラキティッチビダルがスタメンとなっています。インテリオールに関してはどうしてもポジティブなイメージを抱いにくいメンバーですが、セティエンは割とビダルラキティッチのペアを好んでいますよね。

一方セビージャも4-3-3。中盤3枚はジョルダン、フェルナンド、トーレスでした。バネガ先発だと思ってたので少し意外ではありました。

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前半

バルサのボール保持時

・ビルドアップ

試合はセビージャの積極的なプレスから始まります。

基本的にはセビージャのFWがハーフウェーラインを超えてからプレッシングがスタート。そして基本的には「できるだけテア以外をフリーにしない」ということを意識しておりました。また、バルサを後方に追い込もうという意識もありましたが、決して急いで追い込もうという感じではなく、あくまで「ゆっくりじわじわと」の意識。バルサの選手が横パスなどを出したときにセビージャ全体のラインをあげておりました。

ゆっくりと追い込んでいくことのメリットなどは下に貼っておいた動画を見ていただくのが1番わかりやすいと思うのでぜひ笑 


レアルソシエダのバルサ対策の戦術、マンツーマンハイプレス・サッカー学べる動画

 この方の動画は本当にわかりやすくて面白いのでオススメです!

 ここからはセビージャの前プレについて深掘りしていきたいと思います。

 

セビージャの前プレの特徴

①オールコートマンツーマンではない(だけど人への意識は強め)

②誰にプレスをするか悩む人がいた

バルサのSBがフリーになりがち

 

①について

最初から「オールコートマンツーマンにはしない」と決めていたわけではなく、ブライスワイトとかメッシが怖いから前に出れない」というような理由から後方で枚数を確保しているように感じました。

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特にブライスワイトはテアなどから裏へのロングボールを出してもらうなんてシーンが何回もありましたよね。彼が裏へ走る動きを積極的にしていたおかげでナバスは積極的に前からプレスをかけることができませんでした。ただ、ナバスやクンデらがブライスワイトの動きを警戒していたのもあり、ブライスワイトのランニングが直接シュートに繋がることはありませんでした。

 

②について

先程書いた通り、リスクを回避するためにセビージャはオールコートマンツーマンの形でプレスを行いませんでした。そのため、どこかで「1人で2人を見なきゃいけない」なんてところができます。

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 上の図のようにムニルがどっちにマークをつくか悩んでいるシーンがありましたが、実際ムニルはビダルにマークするのを選ぶことが多かったです。しかし、明確にビダルにつくと決まっていたわけではなかったのでどうしてもマークにつくまでに時間的なロスが発生します。そのような時間的なロスがセビージャのップレッシングの穴となっていました。

アルバ、ラキティッチのところでも同じようなことが起こりそうではありましたが、ジョルダンはほぼ常にラキティッチをマークしていたのでムニルサイドのようなことは起こりませんでした。ムニルがジョルダンのようにあらかじめどっちにマークするか決めとけばよかったのかもしれませんが、ムニルはWGでジョルダンはインテリオール。このようにボールを持った時の立ち位置を考えるとムニルが常にビダルにマークするのは難しかったように感じますね。

 

 ③について

バルサのSBがフリーになるというのはセビージャのプレス方法を考えると、自明であるでしょう。

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しかし、SBにボールが入ればそのままセビージャのプレッシングを突破できるというわけでもありませんよね。実際、下の図のように「包囲されてショートカウンター!」というようなリスクもありましたしね。

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そのため、SBにそこまでボールが入ることはありませんでした。オカンポス、デヨングの2トップがCBをみつつ、SBにボールを通されないようにしていたというのもありますが。

 

バルサの崩し

ここまでセビージャのプレスについて説明してきましたが、次はバルサのいなし方についてフォーカスを当てていきたいと思います。と言いたいところですが、ピケ、ブスケツらの個人戦術により崩せている部分が大きのでここでは詳しい説明は避けていただきます。まあ、基本的にはムニルのところでの時間ロスを活かして前進できてたと思いますよ。

そして個人的にはプレスを綺麗にいなすパス回しが今のバルサの魅力だなと思ってて。プレミアとかを見てて思うんですが、バルサみたいにGKまでプレッシングを受けているところあまりないですからね。今節みたいにネガティブな結果になった試合こそ、綺麗なビルドアップを見返してモヤモヤを解消したりするのが良いのかなと思います笑 

完全に余談になってしまいますが、この前あったシティ対アーセナルの試合でシティが行ってた4-3-3のプレッシング。あれ、バルサなら前進できるんじゃないかと勝手に妄想したり笑

 

 

・押し込んだ時の攻撃

前からプレスをかける時は2トップがオカンポス、デヨング、トップ下はトーレスになっていましたが、プレスをいなされるとオカンポスが右に落ちて4-4-2の陣形になっていました。いわゆる普通の4-4-2。基本的には中央をコンパクトにしてブスケツを2トップが見るという形でしたが、ブロック内では 人への意識が強め。そのせいかメッシやスアレスが降りてきて組み立てに絡もうとする機会がよく見られましたね。

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また、試合序盤からセメドがサイドの深いところをえぐることが何度かありました。逆サイドでもブライスワイトが裏を狙おうとしているシーンがありましたのでチームとして狙っていたのでょうね。

しかし相手はセビージャ。レギロン、ナバスなどの守備もちゃんとできるSBにクンデ、カルロス、そしてフェルナンド… とまあ守備が上手なメンバー。ムニル、オカンポスも守備やってくれますしね。そのため、セメドに裏を抜かれてからは、ちゃんとチームとして裏のスペースを警戒するようになります。そのため結局セビージャに対して大打撃を与えることができたかと言われると微妙です…

 

カウンターを狙うバルサ

そして今日のバルサは前節と比べてカウンター気味でしたね。決して「カウンター=悪い」というわけではありませんが少し単調な攻撃が多かったなと思ってて。実際前半に放ったシュート4本の内2本がメッシのフリーキックですしカウンターからシュートに繋がったシーンはなかったですしね。

そしてカウンター多めになるならグリーズマンを使って欲しかった。ポゼッション時よりもスペースがあって自由に動きやすいカウンター時なら持ち味を発揮しやすいと思いますので。まあ、もちろんセビージャのディフェンスが良かったというのもあると思いますが、カウンターを多めにするなら点を奪って欲しかったですね。

 

 

■セビージャのボール保持時

・ビルドアップ

基本的バルサと同じように4-3-3の形でビルドアップ。と書きたいところですが、セビージャはビルドアップに苦戦しましたね。

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ボール保持時の整った形からのネガティブトランジション。今節もメッシスアレスがしっかり攻守の切り替えをしてくれたので、セビージャを前進させないことに成功しました。

 

・セビージャが押し込んだ時の攻撃

バルサのネガトラは良かったですが、4-4-2の守備はやはり奪いどころが定まってない感じがして… クーリングブレイク明けからセビージャに押され始めましたが、それは奪いどころがそこまで定まっていないバルサがズルズルいかれた結果攻め続けられたと思っています。

そしてメッシ、スアレス。彼ら今節守備頑張ってましたよね笑 配置が整った4-4-2からセビージャを自陣に引き返させるのが目標ですが、若干傍観しているシーンも… ただ今まであまり守備をしてこなかった彼らにこれ以上の守備を求めるのは少し傲慢な気もします。まあ前半に関しては及第点をあげても良いのではないでしょうか。

ここまであまり触れてませんでしたがアルバの守備も良かった!普段叩かれがちなラキティッチもコンディションが良かったので個人的には嬉しかったです笑

 

 

後半

・セビージャの修正

前半のセビージャは持ち味のサイドチェンジをあまりすることができていませんでしたね。そこでセビージャは守備時のブロックを4-4-2から5-4-1に変更しました。

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ぶっちゃけ「なんで5バックにしたの!」って思いました笑 とは言え意図無くして4バックから5バックに変えるわけありませんよね。ということでなぜセビージャが5バックに変えたのか推測していきたいと思います。

 

・なぜ5バックに変更したのか

とりあえず5バックと4バックの違いを考えてみます。ぱっと考えて思いつくのは5バックの方がスライドが早いということ。

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これをヒントにして試合中なにが変化したかを振り返っていきましょう。

 

 

このようなことを踏まえて考えてみると…

 

ロペテギが想像していたであろうシナリオ

「5バックになったことで最終ラインのスライドが早くなったセビージャ。そのためバルサ側が侵入するスペースが減少し、バルサは前半ほど押し込めなくなります。そして押し込めなくなったことで、パス回しのテンポが悪くなったり各選手が止まって受けることが増えるバルサ。なんとかバルサの選手(特にメッシ)はやや強引にスルーパスなどでセビージャの守備ブロックを打開しようとしますが、あまり上手くく通らずセビージャのCBなどにパスカットされることが多々… このようにしてボールとの距離を適切に保てなくなったバルサのネガトラは比較的穴が増えるはずだからセビージャは前進できる!」

 

完全に推測ですが、このように5バックにすることでバルサのテンポを悪くしてセビージャがボールを奪う頻度を増やそうとしてのではないでしょうか? 

 

バルサの修正案

まあなんにせよロペテギの采配によって試合の流れが変わったのは間違いないですよね。僕らのセティエンもロペテギのように試合を再びバルサの流れに変えて欲しかった… こんなこと言うのもあれですが、88分の交代でリキが登場してきたのはクレの機嫌を取りに来ているようにしか感じませんでした… まあ悔やんでもしょうがないですよね。しかしバルサはどうすれば良かったのでしょうか?

 

相手の視覚を動かす

先ほどにも書いた通りセビージャが5-4-1になったことでバルサのテンポが悪くなりましたが、なぜそれが良くないのか。それは相手選手を視覚的に揺さぶることができないからです。

 

下の図はピケがアルバに対してロングボールを蹴るシーンです。この時敵選手の目線はピケに向いています。また、相手CBはメッシを厳しくマークしておりメッシがボールを受ける余裕はありせん。

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では、アルバにボールが入ったときにどうなるか考えてみましょう。下の図のようにピケを見ていた相手選手は急いでアルバに視線を移さなければなりません。

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このように相手の目線が急激に変化することにより恩恵を受ける選手がいます。そう、それはメッシです。メッシをマークしていたCBはアルバに目線を移さなければなりませんから一時的にですが、メッシから目を離さなければなりません。こうしてメッシは相手のマークから外れることができるのです。

 

shinseijohn.hatenablog.com

 

 

このように相手の視覚を急激に変化させることでメッシなどがブロック内でフリーになることができるのです。そのため、バルサのテンポの遅い雰囲気に負けずに奥行きを作れるタイプの選手(ビダルスアレスブライスワイトなど)を起用したいところですが、そのような選手がベンチにいたでしょうか?

残念ながらいませんでした。いなかったというか全員先発してましたね。ファティを出しても良かったのに出さなかったのは、ファティが期待で押し潰れてしまうのを恐れたのかもしれなと個人的には思っています。このように投入するにふさわしい人がベンチにいなかったことから3人しか交代できなかったのかなと思いました。

まあなんにせよ、試合の流れに負けずチームに奥行きを作れるような選手がいないという観点で見れば、セティエンが選んだ先発メンバーに少し問題があったのかなというふうに感じます。

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雑感

前半から後半にかけての修正で試合の流れを変えたロペテギはすごいですね。この試合でのMVPはフィールドにいる選手ではなくてロペテギが一番ふさわしいかもしれません笑 

そしてこの引き分けによってレアルとの勝ち点差が3に縮まってしまいました。レアルの相手はソシエダなので絶対レアルが勝ち点を取れるとは思いませんが、最近のレアルを見てると負ける気がしませんよね…

かといって悲観しすぎるのも違うなと思ってて。完全に気持ちの問題になりますが、ネガティブなことを考えてたら悪いことが引き寄せられるって言いますしね。セティエンに関しても然り。僕らができるのは応援することだけだと思うので。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました!