名もなきブログ

バルサを中心に書いていきたいと思います

〜辛抱の時期を耐えて〜  第32節 セルタ対バルセロナ

どうも!なもなきクレです!

今節はセルタ戦ですが、久々の24時スタート!自粛期間は早寝早起きを徹底しようと思っていましたがリキ、ファティがスタメン。こりゃ寝るわけにはいかないと思って今この文章を書いております。では早速スタメンから書いていきましょう。

 

スターティングメンバー

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なんといっても注目はリキ、ファティがスタメン!守備面などは置いといてリキがスタメンなのはシンプルに嬉しいです笑 そして最近好調のラキティッチがアンカー。確かブスケツが累積なんでしたっけ?ブスケツの代わりとして入ったラキティッチが好調なのは不幸中の幸いではあるでしょう。個人的にはそろそろアルバを休ませてくると思ったのでフィルポがスタメンではないのは意外でした。

一方のセルタは3-5-2の布陣。元バルサのデニスがスタメン入りしております。個人的にはラフィーニャ、ムリージョもスタメンで見たかったです。セルタは最近好調なだけに5バックにしているのは怖いですね。ビルバオ戦の前半のように中央からゴリ押そうとするのか、それとも幅を使って流暢に攻めるのか、その辺りを注目して観ていきたいと思います。

 

前半

バルサのボール保持時

バルサのビルドアップ

まずはバルサのビルドアップから見ていきましょう!

オールコートマンツーマンのような形で前プレを行ったセルタ。 このようなビルドアップの形、どこかで見覚えがあるのではないでしょうか? そう、前節のビルバオとそっくりです。

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ビルバオは3-4-1-2のような形で前プレを行います。ほぼオールコートマンツーマンですが、最終ラインでバルサのFWとビルバオのDFが数的同数にならないようにするためかビルバオのWB(レクエとバレンシアガ)はそこまでマークについていませんでした。しかし、バルサのSBにボールが入った瞬間にすごい勢いでプレス。SBにボールが入っても前を向くことはとても困難でした。

そしてビルバオの前プレの厄介なところはどこでもボールを引っ掛けれること。インテリオールがボールを受けようと降りて行った時の反応はすごく早かったですね。このようにビルバオバルサのビルドアップを引っ掛けてショートカウンターにしようとしておりました。

しかしさすがはバルセロナ。突破するのは困難にみえるビルバオの前プレを何度か突破します。例えば11分43秒のシーン。

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shinseijohn.hatenablog.com

 セルタとビルバオの前プレの仕組みが似ていたとは言っても、前回のビルバオ戦ほど追い込まれた感じがなかったのは事実。ではなぜセルタの前プレにそこまで脅威を感じなかったのか。

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それはセルタの最終ラインが前進できるときにラインを上げれてなかったからです。個人的にはバルサに対して引くかプレッシングをかけるか、どっちかにした方が良かった方に感じました。中途半端と言わざるを得ない前プレでしたからね。

あとラキティッチの調子が良かった!引用の最後で載せた図のようなプレーをラキティッチがしてましたからね。彼の良いパフォーマンスもあってブスケツ不在をそこまで感じさせませんでした。

次は押し込んだ時の…と言いたいところですが、先にセルタの守備ブロックについて触れていきたいと思います。

 

・セルタの守備ブロック 

前節のソシエダ対セルタだけチェックしたのですが、その時は人への意識強めであったセルタ。今節もそのような戦い方でくると思っていたのでゾーンの意識強めの守備で来たのは意外でした。

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ただ、バルサに入って欲しくないスペース(ライン間、サイドの脇)などにボールが入ったら強くプレス。そのような人への意識の強さが表れていたのは下の図のようなシーン。

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ファティがセルタのWBであるヴァスケスを引きつけたことによりWB裏が空いておりますね。このようなスペースがセルタの弱点でありました。

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上の図は13分17秒のシーン。大きなチャンスにはなりませんでしたが、セメドが良いランニングを見せてくれたシーンです。当然、セメドとメッシの連携が取れてたというのもありますが、なぜセメドのランニングが上手くいったのでしょうか?

まず、最終ライン及び中盤がスライドしきれなかったというのが挙げられます。中盤のスライドが追いついてないがためにメッシは楽にボールを持つことができました。

もう一つはセルタのWBがサイドに張っているセメドへの意識が強かったことが挙げられます。最終ラインのスライドは追いついてないけどWBはサイドに張っているセメドを見ている。CBとWBの間にズレが生じますよね。ここのズレをセメドが上手に使ったわけです。

このようにWBが人への意識が強かったがゆえに「スペースが空いてしまうこと」なんてことが度々ありました。このようなことを踏まえた上でバルサの押し込んだ時の攻撃を見ていきましょう。

 

 

・押し込んだ時の攻撃

 セルタの守備ブロックの弱点はどこにあったか。この疑問は先程書いたことを踏まえていただければ自明ですよね。そしてそのスペースを使うのはセメドやファティ!セメドは特にこの試合で好調であったように感じました。おそらくセティエンからWBの裏を狙うように指示されていたと思いますが、前半は彼が右サイドでのキーパーソンであったと言えるでしょう。

左のキーパソンは誰かといえば間違いなくファティであったと思います。

前回のビルバオ戦前半と比べても、今節は幅を取れて試合を展開することができていたと言えるのではないでしょうか。ただこの時にもう1点取りたかったというのも事実。特に守備面はヒヤヒヤするシーンが何度も…

 

■セルタのボール保持時

5-3-2で引いたセルタが狙うスペースはバルサのディフェンスラインの裏、特にSB裏。カウンター時ここにロングボールを蹴りそこにアスパスが走り込むという構図になっていました。

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 このようなSB裏を狙うという意識は遅攻の時のもありました。例えば10分33秒のシーン。ヴァスケスに食いついたアルバの裏をメンデスが狙います。

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23分10秒くらいにデニスが良いスルーパスを出してチャンスになるシーンがあったじゃないですか。あのシーンも走り込んでいたのはメンデス。いやあ恐ろしい選手ですね。

ただ、今節ネガトラの時に結構裏を取られてるシーンがありましたよね。前回のビルバオ戦と比べると尚更多く感じます。でもどうしてそういうシーンが多かったのでしょうか?

 

  • 今節はリキがいたから?
  • 左CBがウンティティであったから?
  • ファティがグリーズマほどはネガトラが良くなかったから?
  • アスパスの動きが優秀だったから?

 

「?」ばっかり使って申し訳ないです笑 ただネガトラがいつもほどは良くなかったというのはあるのかなと思います。あとアスパスの裏抜けが上手いのも。どっちにしろ後半はこのようなポイントを改善できるかが重要になってきますね。

 

後半

・セルタの修正

前半のセルタはディフェンスラインを適切に上げることができておらず、中途半端な前プレになっておりましたが、後半はそこを修正してきます。

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また、前半はバルサに前進されたらすぐ5-3-2に移行していましたが、後半は5-2-1-2のことが多め。セルタは人への意識を強めます。

この修正だけでバルサはビルドアップに苦戦を強いられるようになります。例えば49分11秒のシーン。前半のように引き気味だったらあのようなミスは起こらなかったでしょう。そして今節でのパフォーマンスが良かっただけにラキティッチは運が悪いとしか言えない…

 

 

・処方箋を出せないセティエン

ビルドアップが前半ほどは上手くいかなくなったバルサ。そうなるとやはりボール非保持時の悪さが出やすくなってしまいますが、セティエンはどのように修正したのか?

残念ながら解決策を見出すことはできていませんでした。メッシ、スアレスの理不尽に頼らなくてはならないのは自然の摂理なのかもしれません。ただ、2点目の理不尽ゴールはネガティブトランジションでの素早いボール奪取から始まっております。

最近バルサのネガティブなニュースが多すぎますが、2点目のネガトラからの得点はポジティブに受け取ってもいいのではないかなと思います。

セティエンを卑下するつもりは毛頭ないのですが、オスカル・ガルシア監督の修正力、勝とうという意気込みは感じましたね。80分頃には必死に思考を張り巡らせているオスカル・ガルシア監督の姿が映し出されていました。このように必死に考えたことがピッチでの結果に現れたのかもしれませんね。

 

 

 

 

雑感

早朝にマドリードエスパニョールに勝利してバルサのの勝ち点差は2になりました。次節バルサアトレティコとの試合。そう考えるとやはり今節で勝ちたかった… 

だけど悔やんだって後の祭り。次頑張って勝ってもらうしかありません。僕は「次節カンプノウだからなんとかなるはず!」と超楽観的に考えるようにしています笑 まあとにかく今は辛抱の時期だと思いますので。最近ブログで精神論しか書いてないのは申し訳ないです笑

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

 

ビルバオの強みを活かした守備と攻撃  La Liga 第31節 バルセロナVSビルバオ

どうも!名もなきクレです!

今節の試合はビルバオ戦。個人的には楽しみな気持ちというよりも恐怖の気持ちの方が強い対戦カードでしたがなんとか勝てましたね。あとでまた書こうと思いますが、リキが試合の流れを変えるなどクレにとってなかなかエモーショナルな試合でありました。そんなビルバオ戦を時振り返っていきましょう。

 

スターティングメンバー

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バルサは前回のセビージャとほぼ同じ陣容。2人しかスタメンが変わっておりません。前回のセビージャ戦も今節のビルバオ戦もバルサにとって重要な試合だからスタメンをいじれないというのもあると思いますが、もう少しローテーションしてほしいなとは思いますね。ただアルトゥールがスタメン入りしているのは、アルトゥール、ピャニッチの移籍報道が加熱しているだけにすごくポジティブ。移籍させようとしたフロントを悔やませるぐらいの活躍に期待したいです。

一方のビルバオは前回のベティス戦と6人のスタメンを入れ替えて試合に挑んできました。まさかローテーションしてくるとは思ってもいなかったのですごく驚きでした。そしてカンテラーノのサンセを入れてくる度胸はすごいなと思いましたね。個人的にはこういう思い切りの良いスタメンをバルサも組んでほしい…

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前半

ビルバオのボール保持時

いつもはバルサのボール保持時から書いていますが、今回は書きたいことの関係上先にビルバオのボール保持時から触れさせていただきます。

一度話が脱線していまいましたが、とりあえずビルバオがどのようにしてバルサから得点を奪おうと考えていたのか振り返っていきましょう!ざっくり分類するとこんな感じ。

 

ロングカウンター

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ボールを奪った後サイドへロングボールを蹴ってイニャキに走らせよう!というシンプルな作戦でした。しかしシンプルにスペースを使おうとするアプローチこそ意外と厄介。そしてピケ、ラングレはそこまで足の速いタイプのCBではありませんよね。ですから足の速いイニャキとのマッチアップは相性的に不利ではありました。何度か裏を抜かれることもありましたが、さすがの対応力でイニャキの動きを止まらせるピケ、ラングレ。彼らのおかげでバルサは致命傷を負わずに済みました。

試合を観ている感じだとこのパターンからの得点を一番狙っていた、頻度が多かったように感じたのでピケ、ラングレに上手に処理されてしまっていたのはビルバオにとって結構痛手だったのかなと思います。けど試合を観ているクレからしたらヒヤヒヤする場面はありましたよね

。12分40秒のシーンとかは先制されるんじゃないかと気が気でありませんでした笑

 

遅攻

2番目に頻度が多かった攻撃であったと思います。後方からビルドアップをしてバルサを追い込むこともありましたが、イニャキがロングボールを受けた後に遅攻が始まることか多かったです。

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基本的にビルバオはサイドからバルサを崩そうとするのですが、その時にビルバオが見せた「サイドを攻略する」は主に2つ。1つはサイドに張ったSBからチャンネルランをするSHに対してスルーパスを出してそこからグラウンダークロスを蹴るというようなやり方。もう1つはシンプルにサイドかを縦に突破してSBがクロスを上げるというやり方でした。

この時逆サイドのSHも中央に入ってきて中央の密度を高くし、クロスに競り勝てる確率を少しでも高くしようとしていました。

 

ショートカウンター

ビルバオバルサのビルドアップ時に前からのプレッシングをしてきましたね。「前プレ時にボールをバルサから奪ってショートカウンター」というプランを持っていたと思います。詳しいことは後で書きますが、このプレッシングをバルサは上手く突破。結局チャンスに繋げることはできませんでした。

 

 

ビルバオの攻めをバルサの守備陣が完封!みたいな雰囲気で書きましたが、実際も試合はそこまで完璧にビルバオの攻撃を抑えられたわけではありません。どちらかというとビルバオに運が足りなくて点が入らないというような感じ。ビルバオに点が入りそうなシーンは何度かありましたね。もし「メッシ、スアレスがこの試合で守備を頑張っていなかったら…」と考えると結構恐ろしいです。この試合は後半で流れを変えることに成功し結局バルサが勝利を収めますが、割とバルサに運が回ってきたのがでかい試合であったのかなとは思いました。

 

 

バルサのボール保持時

・ビルドアップ

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ビルバオは3-4-1-2のような形で前プレを行います。ほぼオールコートマンツーマンですが、最終ラインでバルサのFWとビルバオのDFが数的同数にならないようにするためかビルバオのWB(レクエとバレンシアガ)はそこまでマークについていませんでした。しかし、バルサのSBにボールが入った瞬間にすごい勢いでプレス。SBにボールが入っても前を向くことはとても困難でした。

そしてビルバオの前プレの厄介なところはどこでもボールを引っ掛けれること。インテリオールがボールを受けようと降りて行った時の反応はすごく早かったですね。このようにビルバオバルサのビルドアップを引っ掛けてショートカウンターにしようとしておりました。

しかしさすがはバルセロナ。突破するのは困難にみえるビルバオの前プレを何度か突破します。例えば11分43秒のシーン。

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さすがに毎回はこんなに綺麗に崩せていたわけではありませんが、ビルドアップの途中でボールを奪われてピンチになることはありませんでしたね。改めてテア、ブスケツの偉大さを思い知らされました笑

 

・押し込んだ時の攻撃

 ビルバオの守備ブロックの特徴
  • 基本的には4-4-2
  • アルバのいる高さによっては5-3-2に移行
  • 超コンパクト
  • バルサを自陣奥深くに誘導しようとしている?

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アルバの立ち位置のよって4-4-2から5-3-2へ移行する。言葉でいうのは簡単ですが、すごく難しいことだと思ってて… バルサ戦に備えてたったの3日4日でチームに染み込ませたはずなのに、4-4-2から5-3-2への移行をスムーズに行えているのはただただ凄いという言葉しか出ません。

このようにしてビルバオからすると攻撃面で脅威であったアルバの動きをある程度封じることができました。しかし、まだメッシ、スアレスといった存在がいますよね。そこらへんはどのように対応しようとしたのか。とりあえずビルバオ中央をとてもコンパクトにすることでゴール前に侵入させないという作戦をとっていました。

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コンパクトすぎてライン間がほぼないんですよね。ライン間は守備をするチームからすると誰が対応するのか迷いが生じやすい場所。そして対応しようとして選手が動く=スペースが生じるので守備をする上でライン間に侵入させないというのは絶対命題なわけです。しかしその弱点となるライン間をなくしたビルバオ。メッシもベスガやロペスなどの中盤の3枚の前方でボールを受けることを強いられてしまいます。メッシはドリブルのよる打開を試みますが、上手くいきません。

また、バルサの選手がペナルティエリア付近まで追い込んでも中盤が最終ラインに下がっていたりしたので「最終ライン何人いるんだよ笑」ってことが度々。

このようにスペースを減らしてゴール付近に密集、個人同士の1対1に持ち込むことでゴールを守っていました。このような戦い方だと普通サイドが空いてくるんですが、ビルバオのスライドが早い、早い。そこまでチーム全体として左右に揺さぶることができていなかったというのもありますが、アルバがレクエにマークされているのもあってサイドからの揺さぶりもそこまで上手くいきませんでした。守備網を突破できてもシモンがいるわけですから恐ろしい… こういうビルバオの選手たちのフィジカル的な強さを活かした守備は観てて面白かったですね。

 あとコンパクトすぎると相手を自陣から追い出すことができないというのもあると思うのですが、その特徴を利用して逆にバルサを自陣深くまで誘導。このようにバルサを自陣深くまで追い込むことでイニャキへの裏へのロングボールの成功率を上げよう」というような意図を持って守備をしていたのかもしれないなと思いました。

 

・苦戦するバルサ

中央突破しようとするメッシと中央を固めるビルバオ。基本的にはこういう構図。先程も書かせていただきましたが、さすがにドリブルでビルバオの選手たちを何人も突破していくのは困難なのでビルバオを疲れさせる、連携ミスからスペースを作らせるためにも、もっとサイドに揺さぶる必要があったと思います。そのようなことを後半はチームとしてできていたのか、そのことに注目して後半を振り返っていきましょう。

 

 

後半

ビルバオは基本的な攻撃、守備は特に変更せずに後半に臨みます。

バルサの修正

まず一つ挙げられるのはメッシがサイドのレーンでプレーする時間が増えたこと。前半はメッシがビルバオのブロックの前方でボールを持ってそこから仕掛けていくというのが基本的な流れでしたが、メッシがサイドにいることが増えたのでピッチ全体を広く使えるようになります。

そして試合の流れをさらにバルサに持っていったのは2人のカンテラーノ。もはや言うまでもありませんよね笑 グリーズマンからサイドに張るファティに変わったことでピッチ全体をさらに使えるようになり、アルトゥールからリキに変わったことでパス回しのテンポが良くなりました。

この試合でのリキとアルトゥールを比べると、どうしてもアルトゥールが見劣りしてしまうのはしょうがないかもしれませんが、アルトゥール本人としては、難しい試合になってしまいましたね。正直フロントにユーヴェ移籍を強く求められている中でコンディションを保つのは困難というか不可能に近いと思うのでアルトゥールはかわいそうとしか言えません。アルトゥール移籍の件(僕が書いている時点ではまだ公式発表はまだ来ていませんが)についてはいろいろ言いたいことはありますが、ただただ悲しい… 

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 雑感

最後少しネガティブな感じで終わってしまって申し訳ないです。後半の部分はアルトゥール移籍が同意みたいなニュースが出てきた後に書いたのであのような内容になりました。今僕はアルトゥール移籍のことで頭がいっぱいで他のことをあまり考えられていませんが、とりあえず落ち着いて物事を静観しなければならないなとは思ってます。気持ち的に余裕がなければ見えるモノも見えなくなってしまいますからね。

一旦ビルバオ戦に話を戻すと、4バックから5バックへの移行を試合中に何度も繰り返していたビルバオはさすがだなと改めて感じました。ヒヤヒヤした試合ではありましたが、観ててとても面白い試合ではありました。あと嬉しかったのはリキ、ラキティッチが活躍できたこと! 特にラキティッチに関しては不穏なニュースが多いですが、それを吹き飛ばすようなゴールを決めてくれたのは嬉しかったです笑

個人的にはグリーズマンが不安だなと思ってて。次節以降メッシを休ませるついでにグリーズマンが活躍しやすそうなシステム(グリーズマンを主役に添えた4-2-3-1など)を試して欲しいです。これ以上チームからいろんな選手が抜けていくのは悲しいのでなんとかして活躍してほしい…

ただ次節はセルタ戦。セルタは直近2試合は絶好調なので怖いですが、首位を取り戻すためには次節も勝つしかない!

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

セティエンが望む中盤像

どうも!名もなきクレです!

マドリーと勝ち点が並んでしまったり、セティエンの采配が少し謎であったり。最近少しネガティブな話題が多めですよね。ただ個人的に嬉しいのはリキの出場機会が増えてること!リキはこの前のレガネス戦で久しぶりに出場しましたが、そこから急にセティエンからの評価が上がりましたよね。

 レガネス戦に出場して、そのあとのセビージャ戦にも出場したので一応リキは2試合連続で出場しています。しかし、どうして突然評価が上がったのか。そこを深掘りしていきたいと思います。

 

 

・プレー内容の変化

レガネス戦72分にアルトゥールと交代してきたリキ。この時はすでに2点入っておりましたのでターンオーバーの意味合いが強い交代であったかと思います。この試合でのリキはシュートも打ちましたし結構好印象を抱いたクレの方も多いと思いますが、個人的に強く印象に残っているのは79分45秒のシーン。

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まだDAZNで観れたと思いますし、映像を見た方がわかりやすいと思うので、ぜひ一度確認してみてください。 そして僕は、このプレーを見て、「リキ良いプレーしてるな」っていう気持ちよりも「え、リキってこういうプレーできるの!?」という気持ちが先に来ました笑

試合直後は上のツイートのように「リキのやる気の高さが出たプレーなのかな」と思いました。しかしその後にセティエンが急にリキのプレーを大絶賛。そして10分も出場していないセビージャ戦でもリキが裏へのランニングを見せます。

こうして僕の頭の中で一つの結論にたどり着きました。「あれ、リキに裏へのランニングさせようとしてね?」と。

 

・今までのセティエンの采配

よくよく考えるとセティエンが裏へのランニングを中盤に求めるのは今に始まった話ではありませんね。その中で一番代表的な例がフレンンキー。

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鍵を握っていたのは、そう、フレンキー!この試合からメッシとのポジションチェンジをするというタスクを担うようになります。なのでこの試合では、メッシが中盤に降りてきたら代わりにフレンキーがFWの位置に入るというようなプレーが多々見られました。では、メッシとポジションチェンジするというフレンキーのタスクはチームにどのような影響を与えていたのでしょうか?

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例えばこのシーン。セメドがボールを持っていますが、もしフレンキーが最前線に立っていなければCBやSBはセメドに対してプレスをかけにいくことができたでしょう。彼があの場所にいることでセメドにスペースを与えることができたのです。また、フレンキーがメッシに代わって高い位置を取ることで中盤に人が集まりすぎることなくバランスのとれた三角形を作ることができます。 

このようにフレンキーが高いポジションを取ることで右サイドでの調和が取れていました。ただ、フレンキーをこのタスクで使うのは本来のタスクと異なるので勿体無いようにも感じてしまいますが…

shinseijohn.hatenablog.com

この何試合か後にフレンキーが最終ラインの裏へ走って得点!なんてシーンもありましたから、セティエンが中盤に裏のスペースへ走る能力を求めているのは間違いないでしょう。

 

中盤に裏へ走る能力を求めていることが伺える采配
  • セティエン就任以後裏へ走るようになったアルトゥール(例えば2回目のクラシコでのシュートなど)
  • バルベルデ時代にはあくまでオプションとして扱われていたビダルの裏へ走れる能力を好んでか、ビダルがスタメンとして起用される機会が増える
  • アルトゥールよりも裏へ走る動きが得意なラキティッチがセティエンに重宝されている
  • スタメンがラキティッチビダルであることが結構ある

 

 

・セティエンが望む中盤像

でも具体的にセティエンが「いつ中盤に裏へ走って欲しい」と思っているのか。

当然ですが、中盤に対して常に裏へ走ることを求めているわけじゃありませんよね。基本的に相手を押し込んだ時にサイドに張っていたWGがハーフスペースに流れてワイドなレーンはSBが使うようになるバルサ

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しかし常にSBが上がれているわけではありません。この時WGがサイドに張っててハーフスペースガラ空きになっていますよね。このようなタイミングで裏へ走ることをセティエンは要求していたように感じます。

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このようにセティエンが「チームとして最適なポジションを取れていない時に中盤自らが判断してポジションを修正する(裏へ走る)能力」

を求めているといえるのではないでしょうか?

そしてこのようなセティエンの考え方を踏まえるとセティエンがコウチーニョやアレニャをチームに求めているのもなんとなく納得がいきます。「攻撃のセンスを兼ね備えたコウチーニョなら的確なタイミングで裏へ抜ける動きをできるのではないか」。そのような期待をセティエンは抱いてるのだと思います。まあ実際上手くいくかはわかりませんが…

 

・クライフ信者としてのセティエン

常に最適なポジションを取ることを求めるってポジショナルプレーの考え方と同じですよね笑 リアリストとしてのセティエンのイメージが割と僕の中では印象強いですが、彼はやっぱりクライフ信者なんだなと感じさせられました。

セビージャ戦ではセティエンに不安を抱かざるを得ない采配をしておりましたが、彼が理想とするチームが完成するのを気長に待ちたいなと思います。とりあえず明日のビルバオ戦を全力応援ですね!

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

〜流れを変えたロペテギ〜 La Liga 第30節 セビージャ対バルセロナ

どうも!名もなきクレです!

今回の試合は少し残念な結果に終わってしまいました… 確か次節マドリーがソシエダに勝てば勝ち点が並ぶんですよね?そう考えるとやはり勝ち点1は厳しいものがありますが…

とまあ、ネガティブな話は置いといてマッチレビュー書いていきます笑

 

 

スターティングメンバー

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個人的に驚きだったのはスアレスがスタメン入りしていること。レガネス戦でのスアレスは怪我でもしているんじゃないかってくらい足を重そうにしていましたがね。そしてインテリオールにはラキティッチビダルがスタメンとなっています。インテリオールに関してはどうしてもポジティブなイメージを抱いにくいメンバーですが、セティエンは割とビダルラキティッチのペアを好んでいますよね。

一方セビージャも4-3-3。中盤3枚はジョルダン、フェルナンド、トーレスでした。バネガ先発だと思ってたので少し意外ではありました。

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前半

バルサのボール保持時

・ビルドアップ

試合はセビージャの積極的なプレスから始まります。

基本的にはセビージャのFWがハーフウェーラインを超えてからプレッシングがスタート。そして基本的には「できるだけテア以外をフリーにしない」ということを意識しておりました。また、バルサを後方に追い込もうという意識もありましたが、決して急いで追い込もうという感じではなく、あくまで「ゆっくりじわじわと」の意識。バルサの選手が横パスなどを出したときにセビージャ全体のラインをあげておりました。

ゆっくりと追い込んでいくことのメリットなどは下に貼っておいた動画を見ていただくのが1番わかりやすいと思うのでぜひ笑 


レアルソシエダのバルサ対策の戦術、マンツーマンハイプレス・サッカー学べる動画

 この方の動画は本当にわかりやすくて面白いのでオススメです!

 ここからはセビージャの前プレについて深掘りしていきたいと思います。

 

セビージャの前プレの特徴

①オールコートマンツーマンではない(だけど人への意識は強め)

②誰にプレスをするか悩む人がいた

バルサのSBがフリーになりがち

 

①について

最初から「オールコートマンツーマンにはしない」と決めていたわけではなく、ブライスワイトとかメッシが怖いから前に出れない」というような理由から後方で枚数を確保しているように感じました。

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特にブライスワイトはテアなどから裏へのロングボールを出してもらうなんてシーンが何回もありましたよね。彼が裏へ走る動きを積極的にしていたおかげでナバスは積極的に前からプレスをかけることができませんでした。ただ、ナバスやクンデらがブライスワイトの動きを警戒していたのもあり、ブライスワイトのランニングが直接シュートに繋がることはありませんでした。

 

②について

先程書いた通り、リスクを回避するためにセビージャはオールコートマンツーマンの形でプレスを行いませんでした。そのため、どこかで「1人で2人を見なきゃいけない」なんてところができます。

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 上の図のようにムニルがどっちにマークをつくか悩んでいるシーンがありましたが、実際ムニルはビダルにマークするのを選ぶことが多かったです。しかし、明確にビダルにつくと決まっていたわけではなかったのでどうしてもマークにつくまでに時間的なロスが発生します。そのような時間的なロスがセビージャのップレッシングの穴となっていました。

アルバ、ラキティッチのところでも同じようなことが起こりそうではありましたが、ジョルダンはほぼ常にラキティッチをマークしていたのでムニルサイドのようなことは起こりませんでした。ムニルがジョルダンのようにあらかじめどっちにマークするか決めとけばよかったのかもしれませんが、ムニルはWGでジョルダンはインテリオール。このようにボールを持った時の立ち位置を考えるとムニルが常にビダルにマークするのは難しかったように感じますね。

 

 ③について

バルサのSBがフリーになるというのはセビージャのプレス方法を考えると、自明であるでしょう。

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しかし、SBにボールが入ればそのままセビージャのプレッシングを突破できるというわけでもありませんよね。実際、下の図のように「包囲されてショートカウンター!」というようなリスクもありましたしね。

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そのため、SBにそこまでボールが入ることはありませんでした。オカンポス、デヨングの2トップがCBをみつつ、SBにボールを通されないようにしていたというのもありますが。

 

バルサの崩し

ここまでセビージャのプレスについて説明してきましたが、次はバルサのいなし方についてフォーカスを当てていきたいと思います。と言いたいところですが、ピケ、ブスケツらの個人戦術により崩せている部分が大きのでここでは詳しい説明は避けていただきます。まあ、基本的にはムニルのところでの時間ロスを活かして前進できてたと思いますよ。

そして個人的にはプレスを綺麗にいなすパス回しが今のバルサの魅力だなと思ってて。プレミアとかを見てて思うんですが、バルサみたいにGKまでプレッシングを受けているところあまりないですからね。今節みたいにネガティブな結果になった試合こそ、綺麗なビルドアップを見返してモヤモヤを解消したりするのが良いのかなと思います笑 

完全に余談になってしまいますが、この前あったシティ対アーセナルの試合でシティが行ってた4-3-3のプレッシング。あれ、バルサなら前進できるんじゃないかと勝手に妄想したり笑

 

 

・押し込んだ時の攻撃

前からプレスをかける時は2トップがオカンポス、デヨング、トップ下はトーレスになっていましたが、プレスをいなされるとオカンポスが右に落ちて4-4-2の陣形になっていました。いわゆる普通の4-4-2。基本的には中央をコンパクトにしてブスケツを2トップが見るという形でしたが、ブロック内では 人への意識が強め。そのせいかメッシやスアレスが降りてきて組み立てに絡もうとする機会がよく見られましたね。

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また、試合序盤からセメドがサイドの深いところをえぐることが何度かありました。逆サイドでもブライスワイトが裏を狙おうとしているシーンがありましたのでチームとして狙っていたのでょうね。

しかし相手はセビージャ。レギロン、ナバスなどの守備もちゃんとできるSBにクンデ、カルロス、そしてフェルナンド… とまあ守備が上手なメンバー。ムニル、オカンポスも守備やってくれますしね。そのため、セメドに裏を抜かれてからは、ちゃんとチームとして裏のスペースを警戒するようになります。そのため結局セビージャに対して大打撃を与えることができたかと言われると微妙です…

 

カウンターを狙うバルサ

そして今日のバルサは前節と比べてカウンター気味でしたね。決して「カウンター=悪い」というわけではありませんが少し単調な攻撃が多かったなと思ってて。実際前半に放ったシュート4本の内2本がメッシのフリーキックですしカウンターからシュートに繋がったシーンはなかったですしね。

そしてカウンター多めになるならグリーズマンを使って欲しかった。ポゼッション時よりもスペースがあって自由に動きやすいカウンター時なら持ち味を発揮しやすいと思いますので。まあ、もちろんセビージャのディフェンスが良かったというのもあると思いますが、カウンターを多めにするなら点を奪って欲しかったですね。

 

 

■セビージャのボール保持時

・ビルドアップ

基本的バルサと同じように4-3-3の形でビルドアップ。と書きたいところですが、セビージャはビルドアップに苦戦しましたね。

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ボール保持時の整った形からのネガティブトランジション。今節もメッシスアレスがしっかり攻守の切り替えをしてくれたので、セビージャを前進させないことに成功しました。

 

・セビージャが押し込んだ時の攻撃

バルサのネガトラは良かったですが、4-4-2の守備はやはり奪いどころが定まってない感じがして… クーリングブレイク明けからセビージャに押され始めましたが、それは奪いどころがそこまで定まっていないバルサがズルズルいかれた結果攻め続けられたと思っています。

そしてメッシ、スアレス。彼ら今節守備頑張ってましたよね笑 配置が整った4-4-2からセビージャを自陣に引き返させるのが目標ですが、若干傍観しているシーンも… ただ今まであまり守備をしてこなかった彼らにこれ以上の守備を求めるのは少し傲慢な気もします。まあ前半に関しては及第点をあげても良いのではないでしょうか。

ここまであまり触れてませんでしたがアルバの守備も良かった!普段叩かれがちなラキティッチもコンディションが良かったので個人的には嬉しかったです笑

 

 

後半

・セビージャの修正

前半のセビージャは持ち味のサイドチェンジをあまりすることができていませんでしたね。そこでセビージャは守備時のブロックを4-4-2から5-4-1に変更しました。

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ぶっちゃけ「なんで5バックにしたの!」って思いました笑 とは言え意図無くして4バックから5バックに変えるわけありませんよね。ということでなぜセビージャが5バックに変えたのか推測していきたいと思います。

 

・なぜ5バックに変更したのか

とりあえず5バックと4バックの違いを考えてみます。ぱっと考えて思いつくのは5バックの方がスライドが早いということ。

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これをヒントにして試合中なにが変化したかを振り返っていきましょう。

 

 

このようなことを踏まえて考えてみると…

 

ロペテギが想像していたであろうシナリオ

「5バックになったことで最終ラインのスライドが早くなったセビージャ。そのためバルサ側が侵入するスペースが減少し、バルサは前半ほど押し込めなくなります。そして押し込めなくなったことで、パス回しのテンポが悪くなったり各選手が止まって受けることが増えるバルサ。なんとかバルサの選手(特にメッシ)はやや強引にスルーパスなどでセビージャの守備ブロックを打開しようとしますが、あまり上手くく通らずセビージャのCBなどにパスカットされることが多々… このようにしてボールとの距離を適切に保てなくなったバルサのネガトラは比較的穴が増えるはずだからセビージャは前進できる!」

 

完全に推測ですが、このように5バックにすることでバルサのテンポを悪くしてセビージャがボールを奪う頻度を増やそうとしてのではないでしょうか? 

 

バルサの修正案

まあなんにせよロペテギの采配によって試合の流れが変わったのは間違いないですよね。僕らのセティエンもロペテギのように試合を再びバルサの流れに変えて欲しかった… こんなこと言うのもあれですが、88分の交代でリキが登場してきたのはクレの機嫌を取りに来ているようにしか感じませんでした… まあ悔やんでもしょうがないですよね。しかしバルサはどうすれば良かったのでしょうか?

 

相手の視覚を動かす

先ほどにも書いた通りセビージャが5-4-1になったことでバルサのテンポが悪くなりましたが、なぜそれが良くないのか。それは相手選手を視覚的に揺さぶることができないからです。

 

下の図はピケがアルバに対してロングボールを蹴るシーンです。この時敵選手の目線はピケに向いています。また、相手CBはメッシを厳しくマークしておりメッシがボールを受ける余裕はありせん。

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では、アルバにボールが入ったときにどうなるか考えてみましょう。下の図のようにピケを見ていた相手選手は急いでアルバに視線を移さなければなりません。

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このように相手の目線が急激に変化することにより恩恵を受ける選手がいます。そう、それはメッシです。メッシをマークしていたCBはアルバに目線を移さなければなりませんから一時的にですが、メッシから目を離さなければなりません。こうしてメッシは相手のマークから外れることができるのです。

 

shinseijohn.hatenablog.com

 

 

このように相手の視覚を急激に変化させることでメッシなどがブロック内でフリーになることができるのです。そのため、バルサのテンポの遅い雰囲気に負けずに奥行きを作れるタイプの選手(ビダルスアレスブライスワイトなど)を起用したいところですが、そのような選手がベンチにいたでしょうか?

残念ながらいませんでした。いなかったというか全員先発してましたね。ファティを出しても良かったのに出さなかったのは、ファティが期待で押し潰れてしまうのを恐れたのかもしれなと個人的には思っています。このように投入するにふさわしい人がベンチにいなかったことから3人しか交代できなかったのかなと思いました。

まあなんにせよ、試合の流れに負けずチームに奥行きを作れるような選手がいないという観点で見れば、セティエンが選んだ先発メンバーに少し問題があったのかなというふうに感じます。

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雑感

前半から後半にかけての修正で試合の流れを変えたロペテギはすごいですね。この試合でのMVPはフィールドにいる選手ではなくてロペテギが一番ふさわしいかもしれません笑 

そしてこの引き分けによってレアルとの勝ち点差が3に縮まってしまいました。レアルの相手はソシエダなので絶対レアルが勝ち点を取れるとは思いませんが、最近のレアルを見てると負ける気がしませんよね…

かといって悲観しすぎるのも違うなと思ってて。完全に気持ちの問題になりますが、ネガティブなことを考えてたら悪いことが引き寄せられるって言いますしね。セティエンに関しても然り。僕らができるのは応援することだけだと思うので。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

バルサを苦しめたレガネスの守備 La Liga 第29節 バルセロナ対レガネス

どうも!名もなきクレです! 今回はレガネス戦!と言いたいところですが、気持ちはまだマジョルカに大勝した余韻に浸かりたい気分です笑 つい1週間前はバルサに飢えていたと思うと不思議ですね。

とまあ冗談はさておき本題に話を戻しましょう。今節対戦するのはマジョルカと同じく降格争いをしているレガネス。前回対戦でレガネスは試合開始早々CBとGKが連携ミスをして失点しておりました… そのようなことを考慮すると比較的安全な選択をしてくるのではないかと予想しております。

ただバルサマジョルカ戦でのパフォーマンスが良かったとはいえあのような失点が対岸の火事とは言い切れないのが怖いですね。

 

 

スターティングメンバー

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バルサはいつも通り4-3-3。いつも通りとはいえマジョルカ戦から5人変わってますね。個人的にはグリーズマンの活躍に期待したいです。前回みたいに孤立しないといいのですが…

一方レガネスは5-3-1-1のようなフォーメーション。5バックは最終ラインでスペースが出来にくいのでやっかいですね。バルサがどのように崩そうとし、それに対してレガネスがどう守るのか注目です。

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前半

レガネスの守備

レガネスの前節でのコンディションやバルサとの以前の戦い(直近は5-0)を考えると結構余裕を持って勝てるのではないかと思っていたのですが、前半は特にレガネスの守備に苦戦しましたね。そんなレガネスの守備を見ていきたいと思います。

 

 守備の狙い

基本的には5-3-1-1の非常にコンパクトな守備ブロックを作ったレガネス。基本的にはライン間に侵入させないという狙いがありました。そしてその後サイドで挟もうとします。

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ただここで重要なのは急いで挟もうとするのではなくゆっくりとパスコースをカットしながらプレスをかけにいっているということ。

このような守備方法の影響か、バルサのボールを回すペースは遅くなっていきました。ここら辺の話は後で詳しく書こうと思います。

 

サイドへの誘導方法

さっきまるで簡単なことかのように、「中央に侵入させないようにしてサイドへ誘導する」と書きましたが、実際はそんなに簡単なことじゃありませんよね。一つでも穴があれば侵入されちゃうわけですから。

ではどのようにしてサイドへ誘導しようとしたのか。そのアプローチに深掘りしていきたいと思います。

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           各選手のカバーエリア

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〜マジョルカ完敗の理由を探る〜 La Liga 第28節 マジョルカ対バルセロナ

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どうも!名もなきクレです!

ついにバルサにもフットボールが帰ってきますね。わくわくが止まりません笑 個人的には3rdユニの色合いが好きなので3rdユニを着てるというのも楽しみです!あと交代枠5枚っていうのも良いですよね。久しぶりにトップチームでのリキを観れることを期待したいと思います笑

ただ、マジョルカには久保建英がいますのでデリケートな試合ではありますよね。実際Twitterでいろいろ揉めてましたし… 

試合前にはいろいろネガティブなことが目立ちますがとにかく楽しんで試合を観たいと思います笑

 

 

 

スターティングメンバー

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バルサは割と無難に来ましたね。大事をとってスアレスはベンチスタート。そしてピケの相方にはアラウホが選ばれました。アラウホは確か以前デンベレとともに退場になった時以来の出場ですかね?

一方のマジョルカは久保が先発しております。ぶっちゃけ普段のマジョルカのことは全然わかりませんが、守備時にどこで追い込もうとしているのかを気にしてみたいと思います。

 

 

 

前半

バルサのボール保持時

マジョルカの4-4-2

マジョルカの守備があまり良くなかったというのは多分皆さんが抱いてると思いますが、実際マジョルカの守備のなにがよくなかったのでしょうか?まずはそんなマジョルカの守備の特徴から振り返っていきたいと思います。

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基本的には中央に侵入させまいとコンパクトな4-4-2を作るマジョルカ。中央にスペースを作らないようにするためか、あまり前からプレスをかけに来ないで基本的にゾーン2までブロックを引いていました。

そして比較的ゾーンの意識が強く、4枚の中盤の前でバルサの選手がボールを受けようとしたら中盤がプレスをかけ、ライン間に入れられたらCBは動かず中盤がプレスをかけました。

このようにライン間、CBの裏を抜かれないように警戒していたマジョルカですが、バルサのボールを持っている選手に対して的確にプレッシャーをかけれているとは言えない状況になっていました。プレッシャーをかけれてないというのは語弊がありますね。正確には、どこでボールを奪うのかということをチームとして意識を共有できてないということです。どこでボールを奪うのかという意識がなかったのでマジョルカバルサからボールを有効的に奪うことができませんでした。このようにしてマジョルカはズルズル引いていくことが多かったです。

あとDFラインを上げれてなかった印象もありました。例えば、バルサがサイドに展開した後に詰まってバックパスを出した時。もしかしたらチームとしてDFラインは上げない方針だったのかもしれませんが、ホームの割には消極的だなとは思いますね。

 

散々「後ろに引くこと=悪いこと」みたいな感じで書いてきましたが、実際後ろに引くことは悪いことなのでしょうか?

答えは否。1番大事なことは相手にゴールをさせないこと、つまり相手にスペースを使わせないことが1番大事です。ではマジョルカバルサにスペースを使わせないことができていたでしょうか?

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上の図はマジョルカの守備ブロックが右へスライドした時の動き方を表しています。中央のスペースを守るためか、最終ラインはそこまで大きくスライドしてませんでした。しかし中盤の4枚はしっかりとスライドをするのでブロックにズレが出来ています。

後で詳しく触れますが、ここのスペースを使われてたことでバルサはサイドの深い位置まで侵入することができました。このようにスペースをバルサに使わせないようにできるかというと微妙でした。

・ビルドアップ

では、マジョルカの守備の特徴を頭に入れつつバルサのビルドアップを見ていきましょう。

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先程、マジョルカはあまりバルサのボールを持っている選手に対してプレッシャーをかけれてなかったと書いた通り、バルサは比較的楽にボールを持つことができました。

そして、前からプレスに来ることもあまりなかったのでテアからビルドアップが始まることはあまりなく、基本的には上の図のような位置からビルドアップが始まります。この時、マジョルカの2トップのどちらかがブスケツをマークし、もう片方がボールを持つCBにプレスをかけるという形をとりました。

そして、適度にライン間へボールを通すことを狙いながらマジョルカ左右に揺さぶり、守備ブロックに隙間を作ろうとしたのです。 

余談ですが、正直このときにマジョルカの選手がブスケツをマークしていたのは特に意味がないように感じました。相手のプレスが強いとどうしてもプレス耐性が抜群に強いブスケツを経由できなければ上手くボールを回せませんが、この試合のマジョルカはプレッシャーが弱い。多分バルサの選手はブスケツを経由出来ないことをそこまで苦に感じてないでしょうからね。言い方が酷くなってしまいますが、「ブスケツをマークする前にプレッシャーかけに行った方がいいのでは?」とは思います。

このようにマジョルカが引き気味であったためにバルサは落ち着いてボールを回すことができました。まさにその恩恵を受けたといえるのが1点目の得点シーン。アルバから、裏を狙うブライスワイトへ良いフライパスを出せたことでマジョルカのラインを下げ、そしてそこからブライスワイトが起点となりました。

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・押し込んだ時の攻撃

押し込んでもやはり4-4-2のマジョルカ。当然止まってるままでは相手を崩せないのでバルサの選手は動いて変化を起こそうとします。そしてバルサの各選手の動きを一つの図に表すとこんな感じになります。

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個人的に驚いたのが、連携の良さが中断前とそこまで変わってないこと。少しくらいは連携が悪くなるもんだと思ってたので、ちゃんと奥行きをとる人がいてライン間に構える人がいるのはシンプルにすごいなと思いました。

そして特にロベルトのパフォーマンスはすごかった!

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上の図はマジョルカの守備ブロックが右へスライドした時の動き方を表しています。中央のスペースを守るためか、最終ラインはそこまで大きくスライドしてませんでした。しかし中盤の4枚はしっかりとスライドをするのでブロックにズレが出来ています。

上の文章は先程マジョルカの守備の特徴について書いたときの引用ですが、ここのズレをロベルトが上手く使っていました。例えば6分10秒のシーン。

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もちろんマジョルカが守備に弱点を抱えていたというのもあるのですが、それでもそこを何度も突いてくるロベルトはさすがですね笑

 

 

 

 

このようにマジョルカは中央に侵入されないよう意識してはいたものの、バルサに自由にボールを持たれ、そしてバルサからボールを奪う方法を共有できていませんでした。そのためバルサにスペースを自由に使われてしまい数多くの失点をしてしまったわけです。

 

バルサのネガトラ

この試合でのネガトラは割と良かったですよね笑 良い距離感だとネガトラが上手くいくというのを今日は体現できてたのではないかなと思います。ただ個人的には22分30秒あたりの時みたに、アンカーの位置にいる選手(基本的にはブスケツ)までネガトラに参加してフィルター役の選手がいないなんてシーンがチラホラあったのが不安です… この試合ではそこまで大惨事になりませんでしたが、ビッグマッチとかになると普通に直接決めてきたりしそうですからね。

となるとやっぱりメッシにもネガトラの数秒間くらいは頑張って欲しいかなあ… そしたらブスケツが中盤の底の位置から出なくても済みそうですし。

 

 

マジョルカのボール保持時

マジョルカの攻撃

マジョルカは基本的に大外をSB、ハーフスペースをSHが担当していました。そしてこの2人でサイドを突破し中央で2トップが受けるという具合でした。

ただ、選手間の距離感が遠くどうしても個人での突破に頼らなくてはいけなくなっていました。そこで異彩を放っていたのが久保。20分頃の回転がかかったシュートや直接フリーキックはヒヤヒヤしましたね。

そして解説の方も話してましたが久保などがボールを持った時に前線の選手がアクションを起こせてないなんてシーンが何度かありました。

このように全体の試合展開としては圧倒的だったのにも関わらず、度々チャンスを作られたバルサ。もちろんネガトラの失敗などによるピンチもありますが、基本的にはバルサの守備構造的な問題が影響していると思っています。

 

バルサの守備

セティエン就任以来4-1-4-1を使うことが多いので無難に4-1-4-1で来るかと思っていました。しかし、実際は4-4-2。スアレスが後半に入ることを見越してなのでしょうかね。

と、まあ話を本題に戻しましょう。

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バルサの4-4-2

  • ブロックの前方で自由に持たれがち
  • 前で持たれないようにブスケツなどが前に出ていくが裏にスペールが空くというジレンマ(下の図)

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このようにどうしてもブロック前方にいる選手にプレッシャーをかけることが難しいのです。そのためにマジョルカの選手たちは楽にボールを持つことができました。そしてボールを奪えぬままどんどん最終ラインが後退していきズルズル押し込まれていったとわけです。

バルサに複雑な事情があるのはわかってるのでこんな守備はダメだ!と否定するつもりはありませんが、再び4-4-0が帰ってきたなとは思いましたね。

 

 

 

後半

マジョルカの変更?

マジョルカがどういう修正を行うんだろうと後半は割と楽しみにしておりました!

実際一応戦い方を変更しているようには見えました。それは前からプレスをかけに行く時。オールコートマンツーマンに変更しているように見えました。しかし、相変わらずボールを持ったテアにまでは積極的にプレスをかけるたりすることはなかったので若干中途半端な変更だったのかなとは思いました。テアの場合普通にフィールドプレーヤーと同じくらいパスが上手ですからね。

ただ、もう少し積極的にいくことを期待してたのでちょっと残念に感じました。

 

バルサの交代の意図

いろいろ期待された交代枠5。個人的にカンテラーノたちを出して欲しかったなとは思いますが、再開直後の試合ですからやはり試合慣れさせる意図があったのかなと思います。

まあ、嫌というほどこれから過密日程が続きますので気長にリキ、コジャドたちが出るのを待ちましょう。

そして個人的に注目したいのはフレンキーとフィルポの交代。

試合が終わった時はこのように思っていました。ただ、実はメッシをトップ下て試すということよりもアルバを攻撃面で活かしたいのではないかと思っています。

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前回対戦のソシエダ戦の時に確か試合終盤にWGでアルバを起用してましたよね?

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アルバのWG起用は驚きました。また、アルバが左WGに入るに伴ってファティは右WGに入りました。

「ファティ右WGはどうなんだろうな?」って思っていましたが、95分頃のプレーのようにファティとアルバが起点となってシュートまで持っていくことが出来ました。結局オフサイドでゴール取り消しになってしまいましたが、とてもポジティブなシーンだと思いました。

また、この交代には、アルバを左WGに置くことにより守備力を増やすという意図もあったと思っています。6分しかこの配置でプレーしていませんが、みなさんの中でのインパクトは大きかったでしょう。

ソシエダ戦マッチレビューより)

ファティ、ブライスワイトのようなサイドに張る左サイドの選手は、アルバにとってどうしてもやりにくくなってしまうと思うので、彼らの共存を試みてるのかなと思いました。アルバの飛び出しの上手さや守備面を考慮したらSBよりも高い位置にいさせてた方が良いですしね。

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雑感

スタートとしては最高!メッシが1得点2アシストで、ブライスワイトも初得点決めて… スアレスも調子良さそうでしたしね。

あとアラウホのパフォーマンス良かったと思います笑 ビルドアップ面で少し観てて不安になることもありましたが、これからも頑張ってほしいですね。

ただ、やっぱり守備面が不安だなとは思います。リーガならなんとかなりそうな気はしますが、やっぱりCLが… いろいろ諸事情があるのは承知の上ですが、4-4-0以外の最適解を見つけてほしいなとは思います。

 

久しぶりに書いたのもあってか全然文章がまとまらなかったのでいつもにまして読みにくかったかもしれませんが、大丈夫だったでしょうか?笑 それでは最後までお読みいただきありがとうございました!

 

 

写真はバルサ公式Twitterより

〜シャルケの敗因とシャルケに必要なアプローチ〜 Bundesliga 第26節 ドルトムント対シャルケ 

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どうも!名もなきクレです。

ついにサッカーが日常に戻ってきますね笑 Youtubeでいろんな試合を漁っていたのでサッカーを観れてなかったわけではありませんでしたが、いざ再開の情報を聞いたときは嬉しかったです。そして開幕戦がレヴィアダービーという笑 いろいろ不安なことはありますが楽しみで仕方がないです!

マッチレビューの最初から見苦しい文をお読みさせてしまいましたが、今回の試合は特に気合を入れて書こうと思うのでどうか閉じないでください笑 

 

スターティングメンバー

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ドルトムント

やはり怪我人が目立ちますね。ロイス、ヴィツェル、ジャン… 恥ずかしながら彼らが怪我しているというのを試合当日に知りました。順位や中断前の調子を考慮すると比較的ドルトムントの方が有利ですが、ロイスをはじめとした主力がいないのは試合にどう響くのか。そこに注目ですね。

 
シャルケ

やはり注目はアリ。普段ブンデスを全く観ない僕ですら知ってる選手ですからどんなプレーを見せてくれるのか楽しみです。そしてトディボが先発!やはりクレにとってはトディボのプレーが観れるというのは嬉しいですよね。クレじゃない方もぜひ注目してほしいポイントです。

 

前半

ドルトムントのボール保持時

・ビルドアップ

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ドルトムントは上の図のようにCBとWB、2ボランチがビルドアップに絡んでいました。そして、ビルドアップ時の狙いは前線にいるハーランドやアザール、ブラントに楔のパスを通すこと。これを目標にボールを回していました。また、2ボランチは特にダフートが降りてくることが多かったです。

このようなドルトムントのビルドアップに対してシャルケはシャドーの選手がボランチを、WBがWBを、ラマンがCBを見るなど割と人への意識が強めなプレスをしてきました。実際、試合開始直後後はシャルケの前プレ(前からのプレス)に苦戦していましたね。

少し話が脱線しますが、個人的にはビルドアップ時にロングボールを使ってないことに驚きました。最終ラインにはフンメルスなどロングボールを蹴れる人はいますし、起点はハーランドにすれば良いですし… 幸いこの試合のドルトムントはビルドアップでボールをたくさん取られたりすることはありませんでしたが、ロングボールを蹴るという手段を選択肢として持っておいても良いのではないかなとは思いました。まあ、普段ドルトムントの試合を観てない僕が言えることではありませんよね笑 ただ、ロングボールを適度に用いれば前からプレスに来る相手に対して牽制することかできますから、選択肢として持っているに越したことはありません。

 

・押し込んだ時の攻撃

シャルケは、ドルトムントボランチがセンターラインくらいまで侵入してきたら、WBがサイドに降りて5-4-1のブロックを作っていました。

一般的な5-4-1

まずは軽く5-4-1の守備ブロックの特徴について抑えていきましょう。

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長所

  • 後方に人数をたくさんかけれる
  • 中盤に4人いるのでスライドも早い
  • SB裏に対しての処理もやりやすい
  • ライン間にボールが入った時の処理もしやすい

 

短所

  • 相手に前からプレッシャーをかけにくい
  • カウンターをしにくい

 

5-4-1の守備ブロックにはこのような特徴があるので、基本的には後方で待機して相手に対してはあまりプレスをかけに行かないという戦い方に向いている守備ブロックです。(要するに後方で引きこもるのに向いた守備ブロックであるということです)

ただ、1つ頭に入れておいていただきたいのは、どんな守備方法だとしてもライン間で相手に前を向かせてはいけないということ。ライン間で前を向かれれば守備のズレを簡単に使われてしまいますから、これは絶対に避けなければなりません。

それを踏まえた上で一度シャルケの守備を思い出してみてください。

 

シャルケの5-4-1

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図のように、シャルケのの中盤は積極的に前からプレッシャーをかけにいくことがよく見られました。しかし、中盤が1人飛び出せば中盤の人数が4人から3人となります。3人ではやはりライン間にいる選手へのパスコースを全てカバーするには限界があります。そして単純にライン間を守ろうという意識があまりなかったように感じましたね。

そのためドルトムントは簡単にライン間へ楔を通すことが出来ていました。

 

ドルトムントの狙い

先程述べた通り、シャルケは簡単に楔を打ち込める状況であったわけですが、ビルドアップ時のドルトムントの狙いを覚えていらっしゃるでしょうか?そう、ハーランドなどの前線にいる選手へ楔のパスを通すことです。ドルトムントは、シャルケを押し込んだ後も同様に楔のパスを通すことを狙っていました。シャルケの守備があのような状況でしたから当然、ドルトムントは簡単に狙いを遂行することができました。

 

楔を通した後のドルトムント

では楔が通った後の攻撃を見ていきましょう。

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ドルトムントは上の図のように、ボールを持っている選手以外が最終ラインの裏へ目掛けて走るというようなルールとなっていました。このようにたくさんの人数がランニングすることで多くのパスコースを作ろうとしたわけです。

これに対してシャルケはなすすべがありませんでした。中盤が前に出て行ってしまっていますからボールを受けた選手はフリー。シャルケのCBがボールを持っている選手にプレスをかけに行こうとすれば、裏へ走る選手にボールが入る… こうして一方的に攻撃されたわけです。

このような攻撃の最もわかりやすい例が1点目の得点シーンです。ピシュチェクからブラントへ楔が入り、ブラントが後ろ向きのままワンタッチでアザールへ。そしてアザールの美しいクロスに上手く合わせたハーランド。このシュートが入った時思わず声を出してしまいました笑 このようにライン間でボールを持てたことが得点に繋がったのです。

 

シャルケのボール保持時

・ビルドアップ

シャルケドルトムントのビルドアップと同じように、CBとWB、2ボランチ(マッケニーがアンカー的な役割)がビルドアップに参加していました。一方、ドルトムントシャルケがビルドアップ時にかけてきたプレスのやり方とは異なりゾーンの意識が強く、インテンシティも最初から落とし気味なように感じました。そして、上手くシャルケをはめ込む機会があれば下の図のようにプレスをかけにいっていました。

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ただ、「この形を毎回作って即時奪還!」という感じではなく、あくまで「はめ込めそうだったらシャルケをはめてボールを奪おう〜」というようなモットーでプレスを行っていました。

この試合でのトディボ

個人的に、シャルケのビルドアップで気になったのはトディボ。彼の持ち味は最終ラインからドリブルでまた上がれることだと思うのですが、この試合ではあまりなかったような気が… 監督に言われたのかそれともコンディションの問題なのかよくわかりません。今日の彼のパフォーマンスはなんとも言えませんでしたが、怪我が大事でないことを祈るのみです。

 

そして、ドルトムントボランチがセンターラインを超えたあたりまで押し込まれるとドルトムントシャルケと同じく5-4-1の守備ブロックを作り始めていました。シャルケよりもドルトムントの方が前プレと守備ブロックの移行が早かった印象です。

 

・押し込んだ時の攻撃

先程述べた通り、5-4-1のブロックは後方のスペースをケアした分前線にプレスをしにくく、またカウンターをしにくいフォーメーションとなっていました。なので5-4-1を使うなら後方に引いて守るのが良いのではないかと書かせていただきました。

そしてドルトムントは今書かせていただいたような戦い方を実践します。

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では、このようなドルトムントの守備に対してシャルケはどう攻めようとしたのでしょうか?

 

ライン間に侵入できないシャルケ

彼らの中でおそらく「アリなどに預けてそこからの連携やドリブルで得点!」というようなプランがあったのではないかなと思っています。

ドルトムントが攻撃してた時は簡単にライン間へ楔を入れることが出来ていましたよね。(シャルケの守備が良くなかったから…)しかし、ドルトムントの中盤は前からプレスをかけに行くわけではなく、ライン間にボールを入れられないことに専念しています。そのためライン間にボールを入れれる機会が少なくなっていました。

たとえ、ライン間にボールが入ったとしても実況解説の方が試合中おっしゃっていたようにシャルケのCFであるラマンはライン間でボールを収めることができておりませんでした。

そして、シャルケの選手の動きが若干少ないように感じましたね。「ライン間で受ける時に、近くにいる人が裏を目掛けて走り出す」などの動きがもし出来ていれば、ドルトムントの選手が走っていった選手についていってボールを受けた選手はフリーみたいな状況に出来たかもしれません。

 

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こうして試合内容、前半の結果ともに圧倒的な差がついた状態で後半に入りました。

 

 

 

後半

前半とても上手くいったドルトムントは後半も同じプランのまま試合に臨みました。

 

シャルケの修正

シャルケはラマンをマトンド、トディボをブルグシュタラーと交代し、フォーメーションを3-4-3から4-3-3に変更しました。

 

・守備時の変化

説明の便宜上、守備から触れていきたいと思います。

前半は5-4-1で守っていたシャルケでしたが、後半は4-3-3で守備をします。軽く4-3-3での守備における強みと弱みについてまとめたので下の図をご覧ください。

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このように中盤のスプリント力ありきの戦術なわけです。普段4-3-3で守備をすることが多いリヴァプールの中盤を考えていただけるとわかりやすいやすいと思います。

 

・攻撃時の変化

一応、3-4-3から4-3-3からシャルケではありますが、あまり押し込んだ時の攻撃に変化はなかったように感じます。下の図をご覧ください。

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図を見ていただければわかると思いますが、4-3-3って3-4-3から少し移動させるだけでできるんですよね。そして、単純な縦移動のみの移動で変わる変化なので相手を押し込んだ時の攻撃は両方とも同じような形になります。

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このように押し込んだ時の攻撃では大きな変更はありませんでしたが、守備時の形を考えるとカウンターによる得点を意識したのではないかと考えられます。

先程も述べた通り、守備時は4-3-3。前線に3人残るわけですから当然、カウンターをしやすくはなりますよね。

 

・攻撃的な修正をしたが…

中途半端な守備

先程も述べた通り、普段リヴァプールが用いる4-3-3で守備を行いました。では、実際サイドでドルトムントを押し込んで圧縮することは出来ていたのでしょうか?

答えから言うとできていません。WGとSB、インテリオールの間のスペースにドルトムントの選手が入ってきたら、とりあえずSBが1列上がって対処するというような感じになっていました。こういう感じで中途半端な守備になるなら、わざわざ4-3-3で守備をする必要はなかったのではないか?とは思います。

 

根本的な解決には至らない攻撃

後半の出だしは良いスタートを切りました。しかし、それはフォーメーションの変化によってドルトムントが混乱しただけだったように思えます。実際、48分には失点をしてしまっていますしね…

では何が良くなかったのか。前半でも書かせていただきましたが、シャルケの各選手の動きがほぼなかったことが一つ挙げられると思います。ライン間で前を向けたとしても、裏へ走る人が誰もいなければ、相手はそのままボールホルダーに中盤がプレスをかけに行けば良いだけなので処理するのは簡単です。

では、ランニングする人がいれば攻撃は良くなるのか。もしこのような質問をされたら僕はYESと返すでしょう。その理由については、前半のドルトムントの攻撃について振り返っていただければおわかりいただけると思います。

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ドルトムントは上の図のように、ボールを持っている選手以外が最終ラインの裏へ目掛けて走るというようなルールとなっていました。このようにたくさんの人数がランニングすることで多くのパスコースを作ろうとしたわけです。

これに対してシャルケはなすすべがありませんでした。中盤が前に出て行ってしまっていますからボールを受けた選手はフリー。シャルケのCBがボールを持っている選手にプレスをかけに行こうとすれば、裏へ走る選手にボールが入る… こうして一方的に攻撃されたわけです。

 

 

 

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こうしてシャルケはなすすべがないまま試合は終わり、レヴィアダービーを4-0で圧勝しました。

 

 

 

シャルケの修正案

結局攻めも守備もあまり上手くいかないまま4失点してしまったシャルケですが、ここではシャルケが試合中にどのような修正をすべきであったかを勝手に考察したいと思います笑

 

・攻撃

まずは攻撃から考えていきます。

中央からではなくサイドから攻める

先程述べた通り、シャルケは中央でボールを収めることが出来ていなかったわけです。「中央でボールを収められないならその選手だけ変えた方が良いじゃん!」と思う方もいらっしゃると思います。実際、前半にライン間でボールを収められていなかったラマンはハーフタイムで交代させられています。しかし、僕は戦術を変更することによって選手が混乱してしまって逆に悪くなる可能性を含めてもサイドからの攻撃が良いのではないかなと思います。

  • ドルトムントはライン間に入れさせないという意識が強いからそもそも中央からの侵入は難しい
  • 5バックでもあるから中央から崩すのはやはり困難
  • そもそも選手のランニングなどか少ないので流動的に崩すのは難しい

このような理由からサイドからの攻撃にシフトチェンジすべきであったと思います。実際25分35秒頃に事故気味でしたが、シャルケはクロスからチャンスを作っていましたよね。

もちろん、もし各選手の動きを活発に出来るのならば同じシステムのままでも良いと思いますが、実際各選手の動きをハーフタイムのみで変えるというのは難しいので現実的なプランではないように感じてしまいます。

 

・守備

5-4-1で積極的にプレスをかけにいくというのは、5-4-1のシステムを考えると理にかなっていません。そして45分が経過した時点で2失点ということを考えると、気持ちを切り替えるという意味合いも含めてシステム変更を行うのが良いのではないかなと思います。

4-4-2への変更

カウンターでの得点を狙い、そして前からプレスをかけにいきたいということを考えると2トップの守備陣形。この時点で4-4-2、もしくは5-3-2に絞られます。そしてライン間に入れようとしてくるドルトムントの攻撃を考慮すると、中盤の人数が多い4-4-2が最適なのではないかと思います。

ただ、シャルケが普段どういう守備をしているのか全然わからないので、普段から使い慣れてる守備ブロックなどがあるのならばそれでも良いのかなと思います。まあ4-4-2ならどこのチームでも比較的やりやすいので、後半から4-3-3で守備をしたシャルケなら出来ると思いますが…

 

 

 

雑感

ダービーなのに悲惨な結果となってしまったシャルケですが、バルサにとって決して対岸の火事であるとは思えません。

例えば、アウェーでのバルサビルバオ戦でのマッチレビューでも書きましたが、やはりボールを持った時に周りの選手の動きが少ないですよね。

そういう意味であるある種の危機感を感じさせられる試合でありました。

ただ、なんにしろ久しぶりに生の試合を観れたのですごく楽しかったです。そして早くバルサの試合を観たい!!

 

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

 

写真引用元

ドルトムント公式Twitterより